「死ぬときに残したお金はタダ働きと同じ」お金の貯め方ではなく「使い切り方」を説く世界的ベストセラーとは

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DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』

著者
ビル・パーキンス [著]/児島 修 [訳]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478109687
発売日
2020/10/01
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

老後に後悔する人、しない人の「お金の使い方」決定的な違い

[レビュアー] 頼藤太希((株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)

死ぬときに残したお金は「その分タダ働きしたのと同じ」

 同書で印象的だったのが、「死ぬときに残したお金は、その分タダ働きしたのと同じ」という一文です。

 例えば、死ぬときに資産が1000万円残っていた場合、年収が400万円であれば、単純計算で2年半働かないと得られません。そうして得た1000万円を使わずに死んでしまったら、2年半もタダ働きしたのと同じだ、というわけです。

 確かに、この1000万円を自分のために使ってさまざまな経験をしたほうが、人生は豊かになりますよね。同書では「人生は経験の合計であり、最終的に自分が誰だったのかはその合計で決まる」とも説いています。

 しかし、このような話をすると、「仕事そのものが楽しくて充実した経験を得られるなら、お金を無理に使わず残しても問題ないのではないか」という指摘があります。実は私も、日本テレビ系「カズレーザーと学ぶ。」にて書籍の内容をプレゼンした際に、カズレーザーさんから同様の指摘を受けました。

 同書ではこれに対して、「充実した経験ができる仕事で稼いだお金であっても、お金であることには変わりはない。好きな仕事で稼いだお金でも、ひいおじいさんから相続したお金であっても同じことだ。そのお金が自分のものになったのなら、価値ある経験に替えるべきだ」と説いています。

「経験ポイント」を稼げば稼ぐほど、人生は豊かになる

 また、同書では、各体験から得られる喜びポイントを「経験ポイント」と表現しています。私たちは毎日・毎週・毎月、さまざまな経験をしています。楽しい経験、素晴らしい経験ほどたくさんポイントがつき、ちょっとした経験には少しだけポイントがつくシステムです。

 どんな経験が高ポイントになるかは、人によって違います。クラシックのコンサートを聴いたとき、クラシック好きで心待ちにしている方ならば高ポイントですが、付き合いで聴かされたものであれば少ししかポイントがつかないか、まったくつかないでしょう(ただし、経験ポイントにマイナスはありません)。

 各年のポイントをまとめると、たくさんポイントが貯まった年と、そうでもない年に分かれるはずです。これからできるだけ多くのポイントを稼ぐために、どんな経験をしたらいいかを考えながら日々を過ごしていけば、おのずと人生は豊かになっていきます。

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【続きを読む:貯金より経験に投資して「記憶の配当」を得るべし お金を使った方が「豊か」になれるこれだけの理由

ダイヤモンド社
2024年4月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

ダイヤモンド社

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