『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』
- 著者
- ビル・パーキンス [著]/児島 修 [訳]
- 出版社
- ダイヤモンド社
- ジャンル
- 社会科学/社会科学総記
- ISBN
- 9784478109687
- 発売日
- 2020/10/01
- 価格
- 1,870円(税込)
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老後に後悔する人、しない人の「お金の使い方」決定的な違い
[レビュアー] 頼藤太希((株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント)
2020年に刊行された本が、今また注目を集めている。
「人生観が変わった」「もっと早く読みたかった」と絶賛の声が相次ぎ、34万部のベストセラーとなっている『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著、児島修訳、ダイヤモンド社)だ。
この本が従来のマネー本と大きく違うのは、お金の“貯め方”ではなく、“使い切り方”に焦点を当てている点。「ゼロで死ね」というタイトルも異色の本書にいち早く注目し、自身も大きな影響を受けたと語るマネーコンサルタントの頼藤太希氏に、その読みどころを解説してもらった。
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資産運用のプロに響いた「ゼロで死ね」
34万部を突破した異色のマネー本ベストセラー『DIE WITH ZERO』。「ゼロで死ね」という刺激的なコピーが話題のこの本は、アメリカの実業家ビル・パーキンス氏が書いたものであり、世界11ヶ国以上で人気を博しています。
私は、『はじめての新NISA&iDeCo』、『定年後ずっと困らないお金の話』など90冊、累計150万部超となるマネー本の著者であり、中央大学商学部客員講師、早稲田大学オープンカレッジ講師をはじめ、資産運用をはじめとするお金の授業・講演をさせていただいており、個人向けのお金のコンサルも行う、実務家の「ファイナンシャルプランナー」です。
そんな私が書評を書くきっかけとなったのは、日本テレビ系「カズレーザーと学ぶ。」で『DIE WITH ZERO』を紹介したことが大きいでしょう。放送後、反響が物凄かったのを覚えています。翌日Amazonの総合ランキングが1位になっていたのも印象的でした。
誰よりも早く、自著などで『DIE WITH ZERO』の書籍名やエッセンスを紹介していたことが番組出演の理由だと思います。『DIE WITH ZERO』は多くの日本人に影響を与えている本ですが、私もその1人だったのです。
浪費をせずにお金を貯めるのは正解か
「老後資金2000万円問題」をきっかけに、将来のために、計画的にお金を貯めていくのが重要だという意識が日本人全体に広まりました。
また、その後すぐに「FIRE(経済的自立・早期リタイア)」という生き方がブームとなりました。FIREを実現した人、あるいはFIREを目指している人たちはSNS上で、「収入の半分を投資しました」「収入の8割を投資に回しました」などと、投資に全力を注いだ話を投稿し、注目を集めました。
こうした流れの中で、日本ではいつしか、将来の不安に備えてお金を貯めるのが第一で、「今お金を使うことがよくない」という風潮が醸成されているように感じます。
確かに何も考えず、お金をダラダラと浪費していては、将来お金がなくて困ってしまう事態になるでしょう。
しかし、限度はありますが、ある程度の浪費は経験しておくべきものだと私は考えています。なぜなら、お金は使ってこそ価値があるものだからです。若いうちにお金を使う練習をしておかないと、いざというときにうまく使うことができず、お金から満足を得ることができなくなってしまいます。
著者のパーキンス氏も、「お金を無駄にするのを恐れて機会を逃すのはナンセンスだ。お金を浪費することより、人生を無駄にしてしまうことのほうが、はるかに大きな問題ではないだろうか」と指摘しています。
FIREにしても、若いうちだからこそできる趣味や楽しみ、スキルアップのための自己投資まで犠牲にしながら目指すべきものではないというのが私の意見です。