『きょうというひ』
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渕書店 BOOKSTORE FUCHI「少女の祈りはありふれた特別。」【書店員レビュー】
[レビュアー] 渕書店 BOOKSTORE FUCHI(書店員)
少女がきょうという日のために身につけるものをこしらえ外に出てきょうというひのためにろうそくの火を灯します。はじめはささやかにそして次第に少女の世界全体を。消えないように消えないように・・・。
読み終えたあと、今生きているこの日がどんな日ともちがう特別な1日なんだという気にさせられます。切ないですが、その切なさと背中合わせに人は暮らしている。そんな当たり前の事実を突きつけられます。少女のはかない、ろうそくの灯びに込めた祈り。最終ページにぎゅっと読者の胸は締め付けられます。大人の胸がそうなるならば小さなこどものそれは・・・想像がつきません。