検事の信義

『検事の信義』

著者
柚月, 裕子
出版社
KADOKAWA
ISBN
9784041066577
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

『検事の信義』柚月裕子著

[レビュアー] 産経新聞社

 著者の作家デビュー10周年記念作品で短編4編を収める「佐方貞人」シリーズの4作目。「信義を守る」では、検事任官4年目の佐方が認知症だった85歳の母親を殺害した容疑で逮捕された55歳の息子の裁判を担当する。介護疲れからの殺害を自供していたが、佐方は遺体発見から逮捕までの「2時間」に疑問を抱く。再捜査で浮かび上がる息子の意外な素顔は…。

 「自分はまっとうに罪を裁かせる」。佐方が考える検事の責務に満ちた一冊だ。「正義を質(ただ)す」では映画化もされた著者の長編「孤狼の血」の日岡秀一巡査も登場し、ファン心をくすぐる。(KADOKAWA・1500円+税)

産経新聞
2019年5月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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