英国のロックバンド「クイーン」のボーカリスト、フレディ・マーキュリー(1946~91年)は個性豊かなミュージシャンの中でもひときわ異彩を放つ存在だ。波乱に満ちた45年の生涯を描いた伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)の大ヒットも記憶に新しい。
彼がどうすごいのか、その足跡を追ってきたジャーナリストが多角的かつ詳細に「解体」したのが本書。恵まれた声質、変幻自在な歌唱、作詞・作曲の才能、圧倒的パフォーマンス…。何より、死という運命に果敢に立ち向かう晩年の姿に、最もすごみを感じる。(平凡社新書・1100円)

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2023年7月16日 掲載
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