「先読みできる広報」が話題づくりのために実践するメディアを掴む5つのポイント

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先読み広報術 : 1500人が学んだPRメソッド

『先読み広報術 : 1500人が学んだPRメソッド』

著者
長沼, 史宏
出版社
宣伝会議
ISBN
9784883355716
価格
2,090円(税込)

書籍情報:openBD

「先読みできる広報」が話題づくりのために実践するメディアを掴む5つのポイント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

長らく「広報」という仕事に携わってきたという『先読み広報術 1500人が学んだPRメソッド』(長沼史宏著、宣伝会議)の著者は、十数年前までは組織内でマイナーな存在だったこの仕事のありかたが、ここにきて変化したと指摘しています。

スタートアップから中小企業まで、積極的に広報活動に取り組む企業や団体が増えているというのです。ただしその一方、身近に広報の先輩がおらず、手探りで苦悩している広報担当者が少なくないことも事実。その点が気にかかるのだとか。

そんな著者は2017年1月に「広報勉強会@イフラボ」という勉強会を発足させ、これまでに1500人以上の広報担当者に向けて講義をしてきたそう。その根底には、自身が体験してきた駆け出しのころの苦労や実体験を、ショートカットして身につけてほしいという思いがあるようです。

この書籍には、イフラボの講義でお伝えしてきたことをギュッと圧縮しています。

インハウスの広報担当として、3つの事業会社で約20年の間に蓄積してきた私の広報ノウハウをまとめました。

新任・ベテラン問わず、広報を志す幅広い業界の皆さんのスキルアップのお役に立つことができればうれしいです。そして何よりも、身近に後方の良き先輩がいない環境で日々奮闘されている皆さんの良き伴走者、パートナーのような存在になれればと思っています。(「はじめに」より)

本書を通じて伝えたいテーマは、「“お茶の間”にもリーチする! 露出戦略から逆算した話題づくり」なのだそう。そのとき(瞬間)、メディアが関心を抱いているテーマを“先読み”する広報術(思考回路)を身につければ、全国紙やテレビで取り上げられるような“お茶の間にリーチする”話題づくりが可能になるということです。

きょうは、若手広報のみなさんからの30の質問に答えている巻末付録「現場の悩みを解決! 広報Q&A」のなかから、いくつかをピックアップしてみたいと思います。

大手のメディアに取り上げてもらうには?

大手メディアに取り上げてもらうためのポイントは、法改正やその際の時節ネタなど“旬に関連させた話題”を提案すること。逆にいえば、“自分が訴えたいこと”だけで大手メディアの関心を引きつけることは難しいわけです。したがって、“そのときにメディアがどんなテーマに関心を持っているのか”について理解したうえで、分脈を組み立てていくことが大切なのです。(204ページより)

どうやって話題を見つければいい?

所属先の業態上、新商品といえるものがなく、プレスリリースにできる話題が皆無――。そんなときには、どうやって話題を見つければいいのか悩むかもしれませんが、そもそも新商品ばかりがプレスリリースのネタだというわけではありません。

たとえば「○○に関する引き合いが急増している」というような“状態”や“トレンド”などもネタになるわけです。

しかも、組織のなかにはそういう話題が意外と埋もれているもの。現場のスタッフは、そんなことが記事になるとは思っていないので、後方に情報が届きにくいのです。だとすれば、いかにして情報を獲得するかを知りたいところ。

経営会議では、どのような顧客からの受注が増えているかなど、業績や販売状況に関わる動きもつかめます。その際に、特定の業界からの引き合いが増えている、あるいは特定の用途に関する注文が増加している、などの社会のトレンドの変化に通じるネタが見つかることもあります。(185〜184ページより)

たとえば見過ごされがちなこういうネタも、メディアが興味を抱きやすいテーマになるはず。だからこそ、それもまた広報担当が気づくべきポイントなのです。(205ページより)

メディアの興味を引きつけるプレスリリースとは?

メディアへは、日々大量のプレスリリースが発信されます。そのため埋もれてしまうことなく、興味を引きつけるなにかが必要になるはず。たとえば、どういったコツがあるのでしょうか?

季節に応じたテーマや瞬間的にホットになっている話題など、タイトルにその時の旬に絡んだ“バズワード”を含めることです。(206ページより)

つまりは、リリースを見ただけで「これは記事にできるかもしれない」という期待を記者に感じさせることができるような、そんなタイトルを目指すべきだということ。(206ページより)

接点のないメディアへのアプローチは?

記者やメディアにアプローチしようとしても、なかにはまったく接点のない相手もいるはず。そういう場合はどうすればよいのかという問いに対して、著者は次のように答えています。

個別アプローチが不要な記者クラブの利用やメディア勉強会の開催が、接点のなかった記者との関係をつくる最も合理的な方法です。

最近では、SNSでの発信を積極的に行っている記者が増えてきました。メディアのニーズに合致した旬な話題であれば、記者にDM(ダイレクトメッセージ)でアプローチすることも有効でしょう。(210ページより)

そのほか、担当部門への関連資料の郵送(○○新聞○○部 御中)、新聞紙面に掲載されている担当部門代表アドレスへのメール発信など、さまざまな方法を試してみることも大切であるようです。(210ページより)

製品担当からヒアリングした内容をリリースに書くだけでいい?

プレスリリースを書くにあたっては、製品担当から話を聞いた内容をそのままリリースに書くということもあるかもしれません。

しかし、メディアが受け止めやすいリリースを書くコツがあるのなら、広報担当者としてはぜひとも知っておきたいところではないでしょうか?

同じような話題に関する報道を見て、記事で必要になる要素を選別して文章にしてみてください。ヒアリングした内容から、メディアに伝える必要のある情報を選択することが重要。日々の報道チェックで、この眼力を鍛えましょう。(211ページより)

最終的な記事のイメージを想像することで、“リリースに書くべきこと”が見えてくるといいます。(211ページより)

「どんな話題が報道されやすいのか」「メディアの思考や行動を先読みするにはどうしたらいいのか」など、具体的な手順や手法と、すぐに実践できるノウハウを紹介した頼もしい一冊。広報活動をよりよくしたいという思いがあるなら、ぜひとも手もとに置いておきたいところです。

Source: 宣伝会議

メディアジーン lifehacker
2023年8月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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