【気になる!】新書『近代美学入門』井奥陽子著

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

近代美学入門

『近代美学入門』

著者
井奥 陽子 [著]
出版社
筑摩書房
ジャンル
芸術・生活/芸術総記
ISBN
9784480075840
発売日
2023/10/06
価格
1,210円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】新書『近代美学入門』井奥陽子著

[レビュアー] 産経新聞社

芸術とは芸術家が自分の思いを表現したもの-といった、美や芸術に関する現代の常識は近代欧州で成立した。その経緯をたどり、芸術とは何かを解説する。

例えば、均整の取れた美という伝統的基準で測れない「崇高」の概念は18世紀に成立。近代には自然の壮大さが描かれたが、現代アートでは図像で表現できないものが提示される。戦後米国の抽象表現主義を代表するニューマンは、巨大キャンバスをほぼ一色で塗った。キリスト教などが共同体共通の宗教でなくなった現代において、崇高なものを示すためという。現代アートへの理解が深まる。(ちくま新書・1210円)

産経新聞
2023年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク