<書評>『箱根駅伝に魅せられて』生島淳 著

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箱根駅伝に魅せられて 1

『箱根駅伝に魅せられて 1』

著者
生島 淳 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784040824673
発売日
2023/10/10
価格
990円(税込)

書籍情報:openBD

<書評>『箱根駅伝に魅せられて』生島淳 著

[レビュアー] 満薗文博(スポーツジャーナリスト)

◆ランナーの日常に迫る

 いまや、新年の「風物詩」となって、正月に彩りを添える箱根駅伝は、2024年、第100回の記念大会を迎える。この大きな節目を前に、著者が東北で生まれ育った少年時代から今日まで「魅せられ続けて来た」箱根駅伝の魅力をつづったコラム集である。

 それらは旺盛な、いわゆる「じか当たり」(直接取材)から紡ぎ出されたものが主軸になっている。テレビ・ラジオなどのメディアでも活躍する著者らしい一冊である。駅伝ファンならずとも、耳にしたことのある「名物監督」や瀬古利彦氏らとのやりとりは、駅伝をテーマにしながら、実は人生論だったりする。

 100年の歴史を振り返りつつ、現在を生きる大学ランナーの日常を捉えた項目は興味深い。走りっぷりは目にしても「私」部分はなかなか伝わって来ない。そこを「合宿所」「朝練と門限、そして消灯時間」「授業」などの項目で、さりげなく書く。よほどの食い込みがなければ著せない現代若者気質を、56歳の著者が書くおもしろさも一読に値する。

(角川新書・990円)

1967年生まれ。スポーツライター。著書『エディー・ウォーズ』。

◆もう1冊

『スポーツの現在と過去・未来』船原勝英著(創文企画)

中日新聞 東京新聞
2023年11月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

中日新聞 東京新聞

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