『描かれた中世城郭』
- 著者
- 竹井 英文 [編集]/中澤 克昭 [編集]/新谷 和之 [編集]
- 出版社
- 吉川弘文館
- ジャンル
- 芸術・生活/絵画・彫刻
- ISBN
- 9784642084390
- 発売日
- 2023/12/04
- 価格
- 3,080円(税込)
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『描かれた中世城郭』竹井英文・中澤克昭・新谷和之編
[レビュアー] 産経新聞社
城に天守が築造されたのは戦国時代以降のこと。本書はそれより前、中世の人々が実際に見たりイメージしたりした城郭の姿を伝える絵画史料をカラーで収録。時代とともに変化する戦い方と、それに応じた城郭の変遷が興味深い。
少数精鋭の武者による騎射の技が戦闘の勝敗を左右した鎌倉時代は、馬が堀や塀、柵を突破できず門や木戸が攻防の焦点となった。このため、国宝の絵巻『粉河寺縁起』『一遍聖絵(ひじりえ)』には門を2階建ての矢倉門にして弓矢を備えた屋敷が描かれている。室町時代に守護職を世襲した一色氏の館や、京都近郊の寺の門前にある防御施設なども。(吉川弘文館・3080円)