『はるさんと1000本のさくら』
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【児童書】『はるさんと1000本のさくら』ただのぶこ作
[レビュアー] 産経新聞社
小学校教諭を定年退職後に絵本制作を始めた著者の76歳のデビュー作で、「書店員が選ぶ絵本新人賞2023」で大賞を受賞した作品。
この村に残った住民は10人。村の先行きを相談する中で、一番若い86歳のはるさんが言う。「もっともっと さきのことを かんがえよう」。人が集う、理想のまちにするために。そして長い時を経て、奇跡が起きる。
過疎の限界集落という現代社会の問題を題材にしながらも、悲観ではなく、目標を得た人たちの命の輝きを希望とともに描く。結果をすぐに求めがちな現代に、長い目で考えることの大切さを教えてくれる。(中央公論新社・1650円)