2年前に御嶽山が噴火したとき単独行で山頂付近にいた山岳ガイドが、当日の回避行動から生きのびた罪悪感に至るまでを詳細に書き記す。〈山の怖さを忘れていた〉と吐露し、体験を糧に、どうすれば命を守ることができるのかを探求する。約60人が亡くなった噴火では〈生死を分けたのは、「どこにいたのか」「噴煙を見てからどれだけ早く危険と判断でき、命を守る行動に移れたのか」そして最後に「運」だと思う〉。
紅葉が人々を山に誘う季節だけれど、軽い気持ちで自然に踏み込むのは危ない。装備と知識、そして心構えの大切さを再確認。(ヤマケイ新書・880円+税)
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2016年10月23日 掲載
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