川島なお美一周忌を前に「徹子の部屋」で夫・鎧塚俊彦が最期の日々を語った

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 黒柳徹子さん(83)が司会を務める「徹子の部屋」に故・川島なお美さんの夫でパティシエの鎧塚俊彦さん(50)が出演した。一周忌を迎える現在の心境と川島さん最後の様子を明かした。

2 (1)川島なお美さんと夫の鎧塚俊彦さん

■川島なお美一周忌

 川島なお美さんが亡くなったのは2015年9月24日。黒柳さんにこの1年はどうでしたか、と問われた鎧塚さんは

「僕たち夫婦はネガティブなことを言うのが非常に嫌いで、毎年来年はもっといい年というつもりで生きてきたんですが、正直この1年はやっぱり非常にきつい年でしたね」

 と弱気な答え。そして

「それゆえに学ぶこともあった。次に向かって行っているような気がして、頑張ってやらせて頂いています」

 と前向きさも見せると、黒柳さんは

「そうなさらないと彼女も悲しがるかもしれない」と励ました。

■「激やせ」会見について

 鎧塚さんは生前の川島さんとの最期の日々を語った。亡くなる直前話題となった「激やせ」会見の後も川島さんは弱音を吐かず、

「『舞台は精いっぱいやります。成功させます』と言って、横にいた僕がドキッとするぐらい。旦那が言うのもなんですが立派でした」と振り返った。

 黒柳さんも

「そういう時に『立派』ってご主人から仰っていただく奥様は本当にお幸せだと思います」と共感をあらわした。

■抗がん剤を使わなかった理由

1腹腔鏡手術後、入院中に鎧塚さんからプレセントされたルームウェアを着て

 そして抗がん剤治療に関して、やらないと決めていた、と明かす。それが2人でがんと診断されてから散々「生きる」ということについて話し合った結果だという。

「心臓が動いていれば生きていることなのかということ。女房にとって生きるっていうのは女優として、賛否両論あるかもしれないですが、光り輝いて生きるということが女房にとって生きるということだったんですね。ですから最後までその道を選びました」

 と当時の心境を明かした。そして抗がん剤を使っていたら助かった、というものではないとも語る。がんは多種多様であり、人によって様々な条件があり、

「女房のことに関して言えば、僕は抗がん剤はやらなくて正解だったと思いますし、本当に最後まで女房は頑張って幸せだった」

 と振り返った。

 鎧塚さんは川島さんとの共著で昨年12月に発売された『カーテンコール』(新潮社)のなかでも、抗がん剤治療について、医師や川島さんと話しあった結果をこう述べている。(以下〈 〉内は同書から引用。)

〈私はK先生に電話を入れ、病状を尋ねました。先生の口から出た言葉、それは「もって1年」という残酷なものでした。
 何とか打つ手はないものか、という私の叫びには、
「打つ手としては抗がん剤治療しか残されていません。しかし、抗がん剤治療でも奥さまのがんの進行を食い止めることはできないでしょう」
 ならば、もし抗がん剤治療をすれば余命1年の命をどこまで伸ばすことができるのかという質問にも、
「抗がん剤治療をしても余命1年は変わりません」
 としか、お答えいただけませんでした。
 副作用にも耐え、抗がん剤治療を行う意義がどこにあるというのでしょうか? 人としての尊厳を傷つけ、女房にとってすべてでもある、女優としての生き方にも支障をきたす抗がん剤治療に。要するに、現代医学では抗がん剤治療しか施せる術(すべ)はなく、万が一の可能性に賭けましょうということでしかないのです〉

 そして2人は別の万が一の可能性に賭け、副作用のない療法を試してゆく。

〈抗がん剤治療にしても、仮に1パーセントでも可能性があるのならば私は考えたでしょう。しかし、効力が同じ万に一つにしても、その副作用と女房の生き様を照らし合わせて、抗がん剤治療はしないことにしたのです〉

 同書には2人が決断に至った理由やその後の治療についても詳細に描かれている。

■川島さん最後の様子

 鎧塚さんは川島さん最後の日の様子も明かした。お見舞いの人が全員帰ったあと、二人きりになり、

「『今日は徹夜だな』なんて言って、『2人でゆっくり過ごそうな』なんて。もうその時意識がなかったんですが、その途端っていう感じですね。看護師さんが走り込んでこられて『奥様の脈が乱れてます』と」

「女房は僕の手をしっかりと握り締めて、体を起こして僕の顔を、目をしっかりと見てですね。最後もうほっと一つなんか魂を吐くように息をしたかと思ったらすっと……でしたね」

 と鎧塚さんは涙を浮かべながら絞り出すように語った。

「徹子の部屋」は毎週月曜から金曜昼12:00よりテレビ朝日系列にて放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年9月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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