
本日公開の安田顕さん主演映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」が、日本テレビ系「news zero」(21日放送)で特集された。
本作は、最愛の母への突然のガン宣告、母との最期の日々、そして母を失った日常で主人公がどうやって“母のいない世界”と向き合っていったのかが、丁寧にゆっくりとした時間軸で描かれている。
原作は、漫画家・宮川サトシさんが実際に母を亡くした体験を描いた同名エッセイ漫画。WEB漫画サイト「くらげバンチ」に連載当時からSNSを中心に「泣ける」と評判を集め、累計500万PVを記録した話題作だ。
原作『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』P109ページより
母親の死を自分の物に
母の死という、悲しくてやりきれない記憶。なぜそれを漫画にしようと思ったのか。「news zero」のVTRに登場した宮川さんは、「どうやって母親の死を自分の物にしていくかを描きたいと思った」と執筆の動機を明かす。
母の闘病中や母の死後、自身の携帯電話に当時の母とのやり取りの記録や、その時の気持ちなどをメモしていたという宮川さん。同漫画のあとがきによれば、そのメモがタイトルにも反映されたという。
「(このタイトルが)誰にでも共感できる感情ではないことはわかっていました。でもこの『遺骨を食べたい』という思いが自分の中で一番強い感情のような気がして、タイトルはこれ以外に無いと思うようになりました」(同作あとがきより)
原作『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』P157ページより
悲しみだけじゃない
「遺骨を食べたい」と思うほど、母の死後深い悲しみからなかなか抜け出せずにいた宮川さんだが、VTRでは同作について「母親が亡くなった話でもあるけれど、僕自身が前に進まなきゃいけないという話でもある」と語る。
漫画の中にこんな一節がある。
「親の死には子供の人生を動かすだけの大きな力がある」
宮川さんは、最後に「変な言い方ですけれど」と前置きしつつこう語った。
「母の死は自分のひとつのエネルギー、かけがえのない死の体験だった」
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- 母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。
- 価格:1,100円(税込)
VTRを見たスタジオの有働アナは「人の死にはエネルギーがあるというメッセージがあるが、悲しみだけじゃなくて、遺された人を前に動かす力があるという言葉が響きました。親を亡くされた方はもちろん、まだご存命の方も、やれることがたくさんあると気づかせてくれる作品」とコメント。
また、スタジオに生出演した安田顕さんは、自身の主演作にもかかわらず「こめかみが痛いほど泣いた」と明かし、「母を亡くしたあとに遺された者がどう生きるか、再生していく過程というのを丁寧に描いた、温かい作品です」と自信をのぞかせた。
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