愛猫をあらゆる災害から守る準備できていますか? 『決定版 猫と一緒に生き残る防災BOOK』試し読み

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災害大国ニッポンでイザというとき、あなたは愛猫を守れますか? 「東日本大震災」や「熊本地震」「北海道胆振東部地震」など、多くの災害に見舞われています。今後 30 年以内に首都直下型の地震や南海トラフ大地震の発生も予想され、今や日本に安全な場所はありません。家族同然の愛猫と “どんな災害も一緒に生き残る”を考えましょう。

※本稿は『猫と一緒に生き残る防災BOOK』(NPO法人ANICE 平井潤子(監修)/富田園子(編)/猫びより編集部(編)、辰巳出版)から一部抜粋しています。

在宅非難が推奨されるコロナ時代、準備はできていますか?


災害シミュレーションチャートで、被災時どこにいるか、猫と一緒に避難できるか、避難生活をどこで送るか、あらゆる状況をシミュレーションしておくことが大切です

「ペットの防災」と聞いて、何を思い浮かべますか? どんなグッズを揃えればいいのかな……と思う方がほとんどではないでしょうか。しかし、もし災害発生時に飼い主さんが外出していれば、家にどれだけグッズを揃えていようが、すぐには役に立ちません。たくさんモノを用意しても、避難時にはそれほど多くのモノを持ち出せません。猫を抱えて飛び出すだけで精一杯のこともあります。

そして昨今、新型コロナウイルスの影響で避難所に多くの人が集まるのは極力避けた方がいいとされています。ソーシャルディスタンスを保ち感染を避けるために、避難所に入れる人数も以前より少なく設定されています。つまり、避難所に行くのは最後の選択肢。在宅避難を基本とし、それができないときは親戚や友人宅に身を寄せるなど、避難所以外の避難先をあらかじめ用意しておきましょう。

実際に災害にあったことのない人は、防災へのイメージがしづらいのです。ですから備えも曖昧になりがち。モノを備えることも確かに必要ですが、それよりも大事なのは被災時どこにいるか、猫と一緒に避難できるか、避難生活をどこで送るか……。あらゆる状況をシミュレーションしておくことが大切です。

家が大丈夫なら在宅避難


在宅避難で起こる4つのトラブル

 家屋の倒壊の恐れがなく、火災などの二次災害の心配もなければ、住み慣れた自宅で過ごすのが人も猫もストレスが少なくベストな方法です。阪神・淡路大震災(1995年)では、多少建物が壊れていても飼い猫の6割弱が自宅で飼育されていたことからもそれが窺えます。※ただし命の危険がある場合は、即座に行動してください。

 電気やガス、水道などのライフラインが止まっているときは、

(1)水問題は水道が復旧するまでは給水車などから運ぶ

給水拠点や給水車から水を得ます。ポリタンクや2Lペットボトルがあればそれに水を入れますが、なければ段ボール箱やバケツに大きめのポリ袋を二重にして被せ、水を入れて縛ると◎。

(2)食事問題はカセットコンロが大活躍!

発災直後は混乱のピークで調理する余裕はありませんが、少し落ち着いてくると温かいものが食べたくなります。カセットコンロがあれば調理できますし、お湯も沸かせます。カセットボンベ1本で約60分使用できます。

(3)トイレ問題は排水できるなら水で流す。排水できない時はゴミとして処分

断水していても排水できる場合はバケツ1杯分の水で排泄物を流すことが可能。配水管が破裂していないか確認してから使用します。排水できないときは、便器の中にポリ袋を被せ、水分などを吸収させるため新聞紙などを丸めていれます。使用後はポリ袋を縛って排泄物を捨てます。水洗トイレが使えないとき、猫用のトイレ砂やペットシーツも人間用の排泄処理に使えて便利です。

(4)ゴミ問題はいつもの場所では回収してくれないことが

平時のようなゴミ回収はされないので注意。行政が指定した場所にまとめて出すことになるため、避難所や役所で情報収集を。

カセットボンベや飲み水の備蓄があると助かります。救援物資は避難所で入手しながら生活します。

 在宅避難でも救援物資や情報は避難所で得る必要があります。そのため最寄りの避難所で早めに避難者としての登録をします。避難所と違って情報が自然には伝わらないので積極的に避難所に顔を出し情報収集しましょう。獣医師会による巡回診療も見逃さないで。猫のためにも積極的に周りと関わりましょう。

最優先で持ち出すモノ


最優先で持ち出す3つのアイテム

 在宅避難が困難で、愛猫と同行避難する際は下記の3つのアイテムが重要です。猫用の非常グッズで最優先で持ち出すべきモノは、命と健康にかかわるモノです。猫を運び出すにはキャリーバッグが必須。キャリーに入れずに外に連れ出すと脱走して迷子になってしまいます。

 ペット用の救援物資が届くのは遅いため、キャットフードも必須。以前は備蓄は3日分といわれていましたが、年々災害の規模が大きくなっているため3日分では不安。実際に東日本大震災では2週間以上支援物資が届かなかった地域もあります。ローリングストック法(※1)を活用し、なるべく多く備蓄しておくのがおすすめです。

 環境の変化で食事を口にしない猫も多いため、嗜好性の高いおやつも用意しておくと◎。持病のある猫は薬のストックや療法食も用意。これらは最優先の持ち出し品として人用の非常用グッズと同じ袋に入れておくといいでしょう。

※1:ローリングストック法とは、フードなどの消耗品を災害用に用意するといつの間にか賞味期限が切れていることが多いもの。普段から多めに用意しておき、日常のなかで消費しながら新しく買い足していくのが「ローリングストック法」です。これならフードを無駄にすることなく、災害への備えができます。ぜひ実践して。

(書籍では、猫と暮らす人がやっておくべき基本の防災と、あらゆる状況を想定したハウツー、そして知っておくだけで対処できることが大幅に広がるさまざまなアディアをご紹介しています。ぜひチェックください。第二弾『決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK』も好評発売中! )

富田園子(とみた・そのこ)
本書の編集・執筆を担当。ペットの書籍を多く手掛けるライター、編集者。日本動物科学研究所会員。飼い猫7頭と暮らす愛猫家。著書に『マンガでわかる猫のきもち』『野良猫の拾い方』(ともに大泉書籍)など。

NPO法人ANICE 平井潤子
明日の動物の防災を考える市民ネットワーク。緊急災害時に飼い主と動物が同行避難し、人と動物がともに調和して避難生活を送ることができるよう、知識と情報の提供を行っている。犬・猫と暮らす平井潤子氏が設立。

辰巳出版
2022年2月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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