推薦文、作家による作家の
全集内容見本は名文の宝庫
内容紹介
かつて文学全集華やかなりし頃、その宣伝物たるも百花繚乱をみせた。捨てられる運命のパンフレットを探し出し一堂に会してみれば、驚くべき文化遺産がひろがっていた!
文学者の評伝を読むことが好きな僕は、自分でも一冊書いてみようと思いたったことがあった。選んだ相手は菊池寛。
大江健三郎(『菊池寛全集』)
小川国男の作品には、上質な洋酒のようなさらさらとした切れの良さがある。〈中略〉わたしが単に上質な洋酒などに惹かれるはずがない。漬けてある蝮に惹かれているのだ。(『小川国男作品集』)
ある時間が来ると吉行さんは「ま、今日はこのあたりで」という感じで消えてしまい、あとには読者が(あるいは僕が)ぽつんと残される。 村上春樹【『吉行淳之介全集』】
推せんどころか読まねば手遅れだ。愛読し給え。手にして自慢し給え。君の本だ。 淀川長治【『植草甚一スクラップ・ブック』】
全集内容見本は名文の宝庫。作家が作家に寄せた“推薦文”84作家108篇収録。
データ取得日:2024/04/23
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