『英文学教授が教えたがる名作の英語』
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『英文学教授が教えたがる名作の英語』阿部公彦著
[レビュアー] 産経新聞社
東京大の英文学教授が、英語で書かれた名作の「ここぞ」という場面を抜粋し、読み方や味わい方を説く。例えば、近代小説の礎となったデフォーの『ロビンソン・クルーソー』では有名な難破の場面で使われる接続詞に着目。時間の流れやリズム、臨場感がどう生み出されるかを丁寧に解説する。
ヘミングウェーやフィッツジェラルドの作品、英語圏の作家から影響を受けている村上春樹の短編「シェエラザード」なども収録。作品の読みどころを解説したコーナーを通読すれば小説というジャンルの歴史も概観できる。英語と文学を楽しみたい人には格好の入門書。(文芸春秋・1925円)