『芦屋山手 お道具迎賓館』
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『芦屋山手お道具迎賓館』高殿円著
[レビュアー] 産経新聞社
本能寺の変で焼失したとされる名品・白天目茶碗(はくてんもくちゃわん)が、兵庫県は芦屋の邸宅で掘り出された。長い歳月を経た道具には付喪神(つくもがみ)という精霊が宿るといわれる。この白天目茶碗にも「シロさん」という付喪神がいるのだが、過去の記憶をほとんど失ってしまっている。
シロさんは青磁茶碗など国宝級の古い茶道具の付喪神たちと対面し、昔話をするうちに、徐々に記憶を取り戻していく。織田信長と明智光秀の関係は、本当はどうだったのか。本能寺の変の背後にあるものとは…。
擬人化された茶道具の目線で、歴史のミステリーに迫るファンタジー。(淡交社・1760円)