猫の老化は何歳から?「大声で鳴く」「トイレ失敗」…気を付けたい老化のサインをチェック(高齢猫)

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

まんがで読む 教えてドクター!猫のどうする!?解決BOOK

『まんがで読む 教えてドクター!猫のどうする!?解決BOOK』

著者
猫びより編集部 [編集]
出版社
日東書院本社
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784528022881
発売日
2020/03/23
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

猫の老化は何歳から?「大声で鳴く」「トイレ失敗」…気を付けたい老化のサインをチェック

[レビュアー] Book Bang編集部


猫だって老いるにゃん

猫の寿命が伸びている。一般社団法人ペットフード協会によると、2022年の調査で猫の平均寿命は15.62歳となり、2010年比で1.26歳も増加している。人間の年齢で換算すると、約5歳も寿命が延びたことになる。

 日々のストレスを忘れさせ癒しを与えてくれる猫は、飼い主にとってかけがえのない家族だ。若い猫を飼っているとつい忘れがちになるが、猫にも人間と同じように「老化」は訪れる。

『教えてドクター! 猫のどうする!? 解決BOOK』(猫びより編集部)は、子猫から老猫(シニア猫)になるまでの様々な疑問について、獣医師からの助言に実録マンガを交えて分かりやすく教えてくれる本だ。

 猫の老化は何歳からなのか。どんな特徴があるのか。高齢猫が幸せな最期を迎えるにはどうしたらいいのか――。猫の老化を受け入れ、大切な家族のシニアライフを支えるための準備を始めてみよう(以下は『教えてドクター! 猫のどうする!? 解決BOOK』をもとに再構成したものです)。

7歳過ぎたらシニアの入り口!身体面の変化をチェックしよう


実はいい歳にゃんだよね

猫のライフステージは、生後6か月までが「子猫」、7か月~2歳が「青年期」、3~6歳が「成猫期」、7~10歳が「中年期」、11~14歳が「高齢期」、15歳以上が「後期高齢期」と分類される。このなかで老化が始まる時期は、個体差はあるものの7~10歳だ。7歳を過ぎたらシニア期の入り口と考えて、食事や生活環境を見直したり、定期健診の回数を増やしたりするなど、老化を意識した飼育を心がけたい(高齢猫の定期健診の目安は半年に1回程度)。

猫はシニア期になると、次のような身体面の変化がある。当てはまるものがあるかチェックしてみてほしい。

・顔の方から見て少し頬がこけたようになる
・目やにが増える
・歯石で歯が黄色っぽくなり、口臭がする
・筋肉の衰えが目立ち、太ももが細くなる
・おなかの肉がたるむ
・毛の艶がなくなりパサパサになる
・背骨が浮き出たようになり、なでるとゴツゴツと背骨に触れる
・皮膚にイボのようものが見られる
・爪が分厚く肥厚する(加齢に伴い爪とぎをしなくなるため)

痩せる、毛の艶がなくなるなど、気付きやすいサインも多そうだ。目やにを拭く、歯磨きをする、爪を切るなど、飼い主がしてあげられるケアはこまめに行いたい。


マンガ解説「シニア猫のお手入れ」

耳が遠い、トイレに失敗、大声で鳴く…… 行動面の変化をチェック

猫のシニア期に、行動面で起こる変化も確認してみよう。

・ゆっくりした動きになる
・ジャンプが苦手になり、高い場所にひとっ跳びで登れない
・耳が遠くなり、呼んでも振り向かない
・食欲が落ち、一度で食べ終えずだらだら食べる
・フードのにおいを嗅ぐが食べない
・トイレの失敗が増える
・大声で鳴く、夜鳴きをするようになる

フードのにおいを嗅ぐが食べない場合や少し食べるが残してしまう場合、歯肉炎や口内炎が痛くて食べられなかったり、胃腸などの内臓機能に問題が起きている可能性も。食欲が落ちて元気がないようなら受診が必要だ。

猫も人間と同様、加齢に伴いトイレの失敗が増えることもある。原因は、腎臓機能の衰えによる頻尿でトイレに間に合わなかったり、腸の働きが弱まって排便のコントロールがうまくいかないなど様々だ。トイレの数を増やしたり、粗相しやすいところにペットシーツを敷いておくのも方策だ。


マンガ解説「バリアフリーな生活環境」

病気のサインかもしれない

大声で鳴く、夜鳴きをするようになるというのも、高齢猫によく見られる傾向だ。はっきりした原因はわかっていないが、老化による認知機能・視力・聴力の低下による不安の増大が関係しているという説もある。「猫の夜鳴きで眠れない」と悩む飼い主もいるが、どの猫も歳をとれば通る道と割り切って、優しくなでたり、声をかけてあげたりして、猫を安心させてあげよう。ただし、大声で鳴いたり夜鳴きをしたりすることをすべて認知機能の低下で片付けてしまうのもまた問題だ。甲状腺機能亢進症や脳腫瘍などの病気の症状として現れていることもあるため、症状に気付いたら一度かかりつけ医に相談しよう。

猫は2歳で人間の24歳に相当し、以降は1年で人間の4歳分年を取っていく。最近は珍しくなくなった20歳を超える猫は、人間ならば96歳になるのだ。よく食べて元気いっぱいに走り回っていた猫が、老いていく姿を想像するのは寂しいことだろう。

それでも、大切な家族である猫の幸せのためにも、老いを認め、年代にあった援助をしながら、たくさん愛情を注いであげてほしい。

辰巳出版
2023年2月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

辰巳出版

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク