ネコ可愛すぎて悶絶…!四字熟語とまさかのコラボで大ヒット『にゃんこ四字熟語辞典』を作者が語る

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にゃんこ四字熟語辞典

『にゃんこ四字熟語辞典』

著者
西川清史 [著]
出版社
飛鳥新社
ジャンル
芸術・生活/諸芸・娯楽
ISBN
9784864108775
発売日
2022/03/26
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

にゃんこ四字熟語辞典2

『にゃんこ四字熟語辞典2』

著者
西川清史 [著]
出版社
飛鳥新社
ジャンル
芸術・生活/諸芸・娯楽
ISBN
9784864109345
発売日
2022/12/05
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

アイドル写真集並みに売れている『にゃんこ四字熟語辞典』の可愛いすぎるネコをたっぷり公開!

[文] Book Bang編集部


ネコと四字熟語がマッチしすぎと話題(「2」より抜粋)

 「辞典」としては異例の売れ行きである。
 24万5千部を超え、なおも勢いが止まらないのが『にゃんこ四字熟語辞典』シリーズ(西川清史・飛鳥新社)だ。2022年3月に1作目が発売されるとたちまち話題になり、同年12月には2作目も発売された(以下では1作目を「1」、2作目を「2」と表記する)。

 人気の秘訣は、何度でも眺めたくなるネコの愛らしい写真と絶妙にマッチした四字熟語の組み合わせの面白さ。世界中から集められたネコ写真にピッタリ合った四字熟語が、「1」には99語、「2」には103語も紹介されていて読み応えも抜群だ。

 この辞典を考案した著者は、文藝春秋社元副社長である西川清史さん(70歳)だ。
 一体全体、どうして「ネコ」と「四字熟語」を組み合わせようなどと思いついたのか。奇想天外なアイディアの源とお気に入りの熟語を、著者直々に語ってもらった。

世界各国のネコ写真を数万枚は見た


「こんなに大きかったにゃ」って本当に言ってそう(「2」より抜粋)

――『にゃんこ四字熟語辞典』はネコと四字熟語の組み合わせが絶妙で、まるで熟語に合わせて写真を撮り下ろしたかのようです。

西川:でも、撮り下ろしではないんです。使用可能なネコの写真を来る日も来る日も眺めて、四字熟語に合うものを選びました。おそらく数万枚は見たでしょうね。この時期に“ネコの写真チェック世界選手権”があったら金メダルを取れたと思います。

――選手権が存在せず「残念無念」ですね。四字熟語はシリーズを合わせると200語を超えますが、お気に入りはありますか。

西川:200語もあるとよく分からなくなってきますが、「1」では「油断大敵」、「水魚之交」、「有象無象」、「同工異曲」、「大同小異」で、「2」では「意識朦朧」、「一顰一笑」、「針小棒大」、「犯行現場」、「発熱外来」かな。これらの写真が記事のリンクから見られるそうなので、ぜひご覧ください。

 「2」には「それって四字熟語なの?」とツッコミが入りそうな語も混じっていますが、おおらかな心でなんとか、いやにゃんとか見逃していただきたい……。皆さんに馴染みのある、分かりやすくてネコに合う語は大体「1」に載せてしまったので、苦しかったんです(笑)。それでも、「犯行現場」とかぴったりでしょう?


現行犯で逮捕だにゃ(「2」より抜粋)

もうちょっとキレイな『うんこドリル』!?

――どれも愛らしく、眺めているだけで「破顔一笑」です。辞典の制作では、写真を選んでから四字熟語を付け加えていったのですか。

西川:写真を先に選んだものもあれば、逆に四字熟語を先に選んだものもあります。いずれにせよ、写真のインパクトは大事だと思ったので、目に焼き付くようなものを探しました。ただ、大抵ネコの写真は、寝ているか、怒っているか、何かをかじっているかなんです。それだけじゃ困るので、「ネコ 飛び降りる」など検索キーワードを工夫して探しました。
また、四字熟語辞典を4冊ほど買ってきて使えそうな語をリストアップし、それに合う写真を選んでいました。

――制作期間はどの程度でしたか。

西川:一気に集中して仕上げたので、「1」は3週間ほどで終わりました。ネタが尽きて苦しんだので、「2」は3か月くらいかかりましたね。

――とんでもないスピードですね。それにしても、ネコと四字熟語の掛け合わせという非凡なアイディアは、どのように生まれたのでしょうか?

西川:勤めていた文藝春秋社を定年で退職してヒマしていたんです。だから、近所の図書館に通ったりしたのですが、色々なアイディアが出てくるんですよ。

 『うんこドリル』シリーズが流行った頃に、「もうちょっとキレイなもので出来ないかなあ」なんて考えを巡らせていて、そうだネコだ、と思い付いたのです。それから急いで家に帰り、ネットで可愛いネコの写真を片っ端から集めてきて、横に四字熟語を書き付けてみました。そうしたら面白くなっちゃって、ニコニコしながらその作業をやり続けた。溜まったアイディアを飛鳥新社の『月刊Hanada』編集長の花田紀凱さんに見せたら「面白い!」と言ってくれて、出版することになりました。


仲良しにゃんだね(「1」より抜粋)

『週刊文春』時代に磨いたセンス

――文藝春秋社に花田さんが勤めていた頃、西川さんの上司だったんですよね。

西川:80年代の終わりに花田さんが『週刊文春』の編集長だった時、僕はグラビアのデスクでした。同僚には柳澤健くんや、勝谷誠彦くん、宮嶋茂樹さんなど凄く力のあるスタッフたちが、毎週面白い記事を書いていた時代で……。毎週のように刺激を受けて、彼らに負けないアイディアを出そうと色々考えていたものです。僕がこの頃考えた「顔面相似形」や「原色美女図鑑」などの企画は、今も『週刊文春』に受け継がれています。

 週刊誌のグラビアでは、目を引く写真を選んで、それに面白いタイトルを付けるのが大切です。デスクとして毎週このことに向き合っていたので、センスが鍛えられたのかもしれません。それが、『にゃんこ四字熟語辞典』でも活きているのかな。

――若い頃に創意工夫して励んだことが今、実を結んだのですね。次は、どんな本を執筆したいですか。

西川:どうしましょう。退職後も編集者気質が抜けず、アイディアがどんどん出てくるからなあ。これまでに、みんなが出して流れていった後を徹底追跡した『うんちの行方』(共著)、文豪130人のハンコを調べた『文豪と印影』、きっと世界で唯一のK玉にまつわる本であろう『世界金玉考』を書きましたが、にゃんことの振れ幅が大きすぎるのか「本当に同じ著者なのか?」と思っている読者もいるようです(笑)。

 『にゃんこ四字熟語辞典』は、今年中に第3弾を出したいですね。待っていて下さる方がいれば、第4弾でも第5弾でも、出版社が「もうカンベンしてくれ」と言うまでは出し続けたいと思います。


続編も待っててね!

Book Bang編集部
2023年2月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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