【今週の労務書】判例から探る不利益変更の留意点(第2版) 河本毅著、弁護士法人番町総合法律事務所編

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【今週の労務書】判例から探る不利益変更の留意点(第2版) 河本毅著、弁護士法人番町総合法律事務所編

[レビュアー] 労働新聞社

シフト減の判例も追加

 平成26年の第1版以来初めての改版である本書では、雇用環境に大きな変化を与えた働き方改革関連法、同一労働同一賃金、コロナ禍の労働問題に関する解説を新たに加えている。

 コロナ禍で発生している問題としては、シフト制を採用する会社での労働時間の激減について触れた。これを労働条件の不利益変更とみるべきかは議論の余地があるとしつつ、合理的な理由なく大幅に労働時間を削減したと判断された判例を引用。同一労働同一賃金では、定年前後で同一と評価される業務を行う高齢労働者の処遇について取り上げた。

 昨今の問題に関する判例のほか、労働契約にかかわる重要な判例を広く集めているため、新任担当者にも参考となる一冊だろう。

(河本毅著、弁護士法人番町総合法律事務所編、経団連出版刊、税込4620円、TEL:03-6741-0043)

労働新聞
令和5年3月27日第3344号16面 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

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