天丼とトンカツどっち?あすけん管理栄養士が教える、外食やコンビニで選ぶダイエット向けランチは

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結局、これを食べるが勝ち!

『結局、これを食べるが勝ち!』

著者
道江 美貴子 [著]
出版社
ワニブックス
ジャンル
芸術・生活/家事
ISBN
9784847073014
発売日
2023/04/26
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

天丼とトンカツどっち?あすけん管理栄養士が教える、外食やコンビニで選ぶダイエット向けランチは

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

結局、これを食べるが勝ち』(道江 美貴子 著、ワニブックス)の冒頭には、次のような記述があります。

私たちの体は、毎日食べるものからできています。だからこそ何を選んで食べるかが、充実した人生を送るためにとても大切です。

もちろん美味しいものを食べれば、誰でも幸せになりますし、人生が豊かになります。その幸せを一生味わうためには、自分にとってちょうどよい食事量や必要な栄養を知り、健康を保っていくことが欠かせません。(「Prologue 食事の選択力をアップしよう」より)

そこで必要となるのが、賢く食事を選ぶ際に参考となる「知識」。しかもそれは難しいものではなく、誰もが簡単に“自分にとって最適な食”を選択できるようなものであるべきでしょう。本書のバックグラウンドになっている食事管理アプリ『あすけん』も、そんな想いから生まれたのだそうです。

『あすけん』は毎日の食事記録をもとに管理栄養士監修のアドバイスがもらえるアプリで、著者は2007年のリリース以来15年間、企画・開発に携わってきたのだとか。2023年現在、累計会員数は800万人を超え、ユーザーの食事記録データは45億件を超えているというのですから驚きです。

そこから見えてきたのが、ダイエットに成功したユーザーの方々は特別な食事制限をすることなく、毎日の食事をうまくコントロールしているということ。

「食べすぎても焦らず3日間かけてカロリーを調整する」「無理せずうまく息抜きを挟む」など、ちょっとしたテクニックを実践し、大好きなケーキやラーメン、から揚げをやめずに、ダイエットに成功しているのです。(「Prologue 食事の選択力をアップしよう」より)

そこで本書では、「いつ食べるか」「なにと食べるか」「なにに置き換えるか」など、すぐに活用できるコツをまとめているわけです。外食の多いビジネスパーソンにはとくに役立ちそうなPart 2「外食で、スーパーで、これを選ぶが勝ち」に注目してみましょう。

どうしても揚げ物が食べたいときは?<

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×揚げたて天丼

○がっつりローストンカツ定食

(58〜59ページより)

同じ揚げものでも、調理法によって脂質量に差が出るもの。とくに天ぷらのふわっとした衣は油を吸収しやすく、とてもハイカロリー。とくにかき揚げは、なんと食材重量の40%も油を吸ってしまうというのですから注意が必要だといいます。

一方のロースカツ定食は、定番のつけ合わせであるキャベツの食物繊維が、トンカツの脂質の吸収を抑えてくれるようです。また、キャベツには消化を助けるキャベジン(ビタミンU)や、抗酸化作用のあるビタミンCが含まれてもいます。

酸化した揚げものの油は体の負担になるので、ビタミンCは不可欠。カツにレモンをひと振りすれば、抗酸化作用が増すことに。さらにカロリーを減らしたいなら、脂身が少なめのヒレカツ定食を選ぶべき。

逆に注意したいのが、トンカツソース。大さじ1杯に塩分が1g入っているので、かけすぎに注意する必要がありそうです。また、キャベツにかけるドレッシングも塩分や油分を含むので意識するべきでしょう。

なお、外食チェーンなら、ヘルシーなのはやはり定食屋やそば屋になるようです。では、しっかり食べたい日は、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

鶏肉を使った親子丼なら、比較的脂質が少なくおすすめです。完全栄養食品の卵を一緒に摂れるのも魅力。またキャベツやレタスのサラダをつけたり、味噌汁を野菜たっぷりの豚汁やけんちん汁に変えたりするのも効果的。(61ページより)

また牛丼も、ミニサイズでネギ山盛り&豚汁にするなど、ひと工夫すれば選択肢に入るようです。(60ページより)

ランチをサッと麺類で済ませたいときは?

×かけでさっぱり、讃岐うどん

○自家製チャーシュー入り冷やし中華

(62〜63ページより)

血糖値の急上昇が肥満を招き、メンタルをも悪化させることは有名な話。そこでGI値を意識するべきであるようです。

食後の血糖値の上昇率は食品によっても異なり、GI(Glycemic Index[グリセミック・インデックス])として数値化されています。(中略)食後の血糖値の上昇をゆるやかにできるかどうかが、健康に過ごすための鍵。(28ページより)

白米よりは麺類のほうがGI値は抑えめで中程度であるものの、麺の種類や調理法によってもGI値は変わるそう。食品は消化吸収が早いものほど、GI値が高くなるといいます。

うどんは精製された小麦を使うため、消化吸収がスムーズでGI値は高め。一方、麺のなかでGI値が低めなのがパスタ。アルデンテにゆでるとGI値が低くなるので、ちょっと固めにゆでてみるのがいいようです。

ごはんや麺類の主原料となる穀物は、精製されると色が薄くなり、繊維量も減るため、白っぽい炭水化物はGIが高いと覚えておくことが大切。コツはそばや玄米など、茶色の食品を選ぶこと。

また冷やし中華は、きゅうりやトマトなどの野菜や、たんぱく源となるハム、卵など具材が豊富で血糖値が上がりにくく、麺だけより栄養バランスも優れているそう。タレは、ごまダレよりも、酢の多い醤油ダレを選びたいところ。酢の酢酸には消化を遅らせる作用があり、GI値を下げるといわれているからです。

うどんやそばを食べるときにも、かけうどんやざるそばではなく、具を一緒に食べるのが正解。わかめや山菜、きつねなど、食物繊維とたんぱく質が摂れる具入りを選ぶといいそうです。

食べものを「賢く選ぶコツ」だけでなく、知っておくと役立つ栄養学のトピックスなども盛り込まれた一冊。「なるほど」と納得できることばかりなので、ダイエットをしている方、これからダイエットしようと思っている方には最適な内容だといえます。

Source: ワニブックス

メディアジーン lifehacker
2023年6月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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