電車移動をさらに勉強に集中できるようルーティン化する7つのポイント

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

意志の力に頼らないすごい独学術

『意志の力に頼らないすごい独学術』

著者
石動龍 [著]
出版社
アルファポリス
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784434319457
発売日
2023/05/31
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

電車移動をさらに勉強に集中できるようルーティン化する7つのポイント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

勉強をひとりで続けること、すなわち「独学」は決して簡単なことではありません。興味があることに関する勉強であれば多少はがんばれるでしょうが、多くの場合、学ぶべきことの大半は楽しいものではないからです。

しかし、そんな悩みを解決してくれそうなのが、『意志の力に頼らないすごい独学術』(石動龍 著、アルファポリス)。具体的には、次のような方々に向けて書かれているようです。

・資格の勉強に挑戦したが、失敗してしまった

・いままさに資格の勉強中で、行き詰まっている

・勉強したいけど、仕事が忙しくて時間がない

・お金がもったいないし、予備校や専門学校には通いたくない

・現状に不満があり、資格を取って環境を変えたいと思っている

(「はじめに」より)

著者は働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格したという実績の持ち主。つまりここでは自身の体験に基づき、 “独学と続けるためのコツ”を伝えようとしているわけです。

そして、その基礎となるのが、タイトルにもなっている「意志の力に頼らない」という視点なのだそう。「人間の意志は弱い」という事実に基づいていて進めていけば、それをうまく機能させることが可能になるはず。その結果、仕掛けがうまく動いていくかのように、ストレスなく勉強習慣が機能していくようになるというのです。

そうした考え方に基づく本書のなかから、きょうは第2章「あらゆる場所で集中する方法」内の「移動中に集中する」に注目してみたいと思います。移動時間に“勉強モード”になるためにはどうすればよいのかを明かしたパートです。

移動中の勉強で気をつけるべき7つのポイント

著者によれば、独学をするうえで大切なのは自分のルーティンを確立すること。それができれば、なにかを判断する際にエネルギーを使うことなく、自然にアクションをとれるようになるというのです。

ポイント1. 毎朝、同じ時刻の電車に乗る

移動時間のうちで、もっともルーティンを確立しやすいのは朝の通勤時間。多くの方は毎朝同じ時刻に起き、同じ時刻の電車に乗っているはず。同じように、規則的に同じ行動をしてみれば無理なく集中できるというわけです。(150ページより)

ポイント2. 空いている電車を選ぶ

通勤中に集中するためには、周囲の環境を整えることが必要。しかし満員電車でスペースがなければ、テキストを開くこともできないかもしれません。したがって、乗客が少ない電車を選ぶことが大切なのです。

ちなみに著者の場合は、朝の忙しい時間には急行をパスし、各駅停車の電車を選んでいたといいます。当然ながら、急行よりも空いている可能性が高いからです。(151ページより)

ポイント3. 乗る車両を決め、車両内の定位置も決める

ポイント4. 座らない

乗る電車を確定したら、乗る車両、車両内の場所を決めることも重要。なお、席が空いていたとしても、あえて立つことを著者はすすめています。同じ座席が必ずしも空いているとは限らないため、日によって位置が安定しなくなる確率が高くなるからです。

しかし空いている電車で立つことを選べば、同じ位置で毎日過ごすことが可能。すると判断することが減り、結果としてルーティンを確立するのが楽になるはず。勉強を開始するまでは、頭を使うことをなるべく減らすべきだというわけです。(152ページより)

ポイント5. カバンは網棚へ置き、耳栓をつける

立つ位置を決めたら、次にすべきはスマホをカバンに入れて網棚に置くこと。出すのに手間がかかるようにすれば、「ついついスマホを見てしまう」という悪循環を回避することができるわけです。加えて、騒音対策のために耳栓も忘れずに。そうすれば、勉強する準備が整うことになるでしょう。(152ページより)

ポイント6. 同じテキストを何度も繰り返す

テキストや問題集は、科目ごとに最良の一冊を選ぶべき。たとえば公認会計士試験や司法書士試験などの難関試験であっても、大学教授が書いた分厚いハードカバーの専門書は不要。わかりやすいことばで書かれ、試験内容を網羅している、専門学校のテキストで十分だそうです。

むしろ大切なのは、何度も何度も同じ書籍を繰り返し読み、知識を深めていくこと。毎日勉強していても、少しずつ覚えたことは漏れ落ちてしまうものなので、出題される可能性のある箇所を網羅することが大切。そこでテキストや問題集を周回し、穴をふさいでいくことが必要になってくるわけです。(153ページより)

ポイント7.「合格する」という目的以外にエネルギーを使わない

限られた時間を有効に活用するためには、勉強するための注意力を割いてしまうことをなるべく減らすことが重要。そのため、起きる時刻、朝食のメニュー、乗る電車、位置、テキストを読む順番、科目ごとに読むページ数などをあらかじめ決めておけば、勉強以外のなにかを考えてしまうことは減らせられるはず。

つまり「合格する」という目的を達成するためにエネルギーを多く割き、それ以外のことに時間や体力を使うことはなるべく少なくしたほうがいいという考え方なのです。(154ページより)

同じことを繰り返す

これらの点に気をつけ、テキストを開いたら、集中する環境が整います。

あとは毎日継続できるよう無理のないスケジュールを組み、本番まで同じことを繰り返すだけです。(154ページより)

大切なのは、合格するために必要な実力をつけるために必要な勉強量を1日単位に落とし込むこと。そして、なるべく移動時間内に1日のノルマを多く消化できるよう心がけるべき。

もちろん、1日のうちの通勤時間や移動時間は人それぞれ。しかしどれだけ時間がかかったとしても、その時間を有効活用できればメリットは増えていくということです。そうした理由があるからこそ、少しのヒマも惜しんで勉強し、すき間時間を実力に変えるマインドを徹底させるべきなのです。(154ページより)

著者は自身のことを、意志が弱い人間だと認めています。しかし、だからこそ挫折しづらい独学術を構築できたのだとか。著者が体験から身につけたメソッドを参考にしながら、意志の力に頼ることのない独学術を学んでみてはいかがでしょうか?

Source: アルファポリス

メディアジーン lifehacker
2023年7月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク