「大阪の泥臭い『サザエさん』」霜降り明星せいやが語った、絶対にありえないエグさが面白いマンガ『じゃりン子チエ』の魅力

インタビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

じゃりン子チエ 34

『じゃりン子チエ 34』

著者
はるき, 悦巳, 1947-
出版社
双葉社
ISBN
9784575728392
価格
792円(税込)

書籍情報:openBD

霜降り明星・せいや「チエちゃんみたいな人が素敵。パートナーだったら良いな」第11回大阪ほんま本大賞特別賞受賞! 泣いて笑える名作コミック『じゃりン子チエ』最終巻記念特別インタビュー

[文] 双葉社


霜降り明星・せいやさん

 古き良き昭和の大阪を舞台にした、国民的マンガ『じゃりン子チエ』(はるき悦巳)。物語の舞台である関西地区では、何度もアニメが再放送されるなど、長きに亘り根強い人気を誇っている。

 2019年7月に『じゃりン子チエ』が大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本「大阪ほんま本大賞」にて特別賞を受賞したことを受けて、同年9月には、待望の新装版第1巻が発売された。その後、新装版は続巻も好調に推移し、今年7月にはついに最終巻である34巻まで完走した。34巻には、はるき悦巳先生による新たな描き下ろしが三篇も収録され、まさにファン垂涎の一冊となっている。そしてなんと、7月25日(火)には、この最終34巻が2023年度の「大阪ほんま本大賞」にて2度目の特別賞を受賞した。

 時代を超えて今も愛され続ける『じゃりン子チエ』。なぜ本作は今でも人々を魅了するのだろうか? そこで、今回は本作の大ファンだと公言するお笑いコンビ「霜降り明星」せいやさんにインタビューを敢行。本作との出会いから色褪せない魅力まで、たっぷりと語ってもらった。

取材・文=ちゃんめい

***

■大阪の力を結集させた作品!? 『じゃりン子チエ』との出会い

──まず、本作との出会いについて教えてください。

せいや:初めて『じゃりン子チエ』に触れたのは、実はマンガではなくアニメ。僕が小学生の頃、ちょうどアニメ版の再放送をやっていたので、朝はアニメ「じゃりン子チエ」を見てから学校へ行くのが習慣でした。

──初めてアニメを見た時はどんな感想を抱きましたか?

せいや:当時は幼かったこともあり、正直内容はあまりわかっていなくて。でも、その後もう少し大きくなった頃に、「じゃりン子チエ 劇場版」を見たのですが、声優にやすきよ師匠(横山やすし・西川きよし)や文枝師匠(桂文枝)といった僕の大好きなお笑いスター達が大集結していて。もう「めっちゃ豪華! なにこの作品!?」と驚きでした。
 特に、小鉄(西川きよし)とアントニオジュニア(横山やすし)の決闘が最高で。もう、まんま“やすきよ師匠の掛け合い”なんですよ。伝説の天才漫才師が声優として掛け合っている──。なかなか見れるものではないので、原作はもちろんですが「じゃりン子チエ 劇場版」もぜひチェックしてほしいです。大阪の力を結集させたような作品なので。

──確かにお笑い界のスーパースター達が大集結していますよね。物語の面ではどんな感想をお持ちになりましたか?

せいや:物語の舞台が大阪の下町なので、地元が同じ“大阪”という点では共感できるかな。ただ、『じゃりン子チエ』で描かれている大阪は、僕の世代よりふたまわりくらい昔なんですよね。例えば、チエちゃんが子供なのにホルモン屋を切り盛りしていたり、お客のおっさんたちに怒鳴ったり、あとテツが喧嘩早かったり……。今では絶対にありえないエグさというか、騒々しさ。良くも悪くも昔の大阪っぽさがありますよね。喩えるなら、大阪の泥臭い『サザエさん』みたいな。

■チエちゃんへの憧れ、一番好きなテツへの想い

──作中には、チエちゃん、テツ、小鉄など個性豊かなキャラクターたちが登場しますが、思い出深いキャラクターはいますか?

せいや:チエちゃんみたいな女性は素敵だなと思います。すごくしっかりしていて、自立心旺盛なチエちゃんみたいな人がパートナーだったら良いなって。あと、テツ! 一番好きなキャラクターがテツなんですよ。個人的には、テツはこの作品においてのボケ役で、チエちゃんがツッコミ役みたいなイメージがあって。だから、『じゃりン子チエ』はテツが主人公みたいなところもあると思うんです。いやぁ、テツって本当に面白いですよね。意外と人間くさいところもありますし。

──数あるエピソードの中でも、テツが登場するお気に入りのシーンを教えてください。

せいや:色々ありますが、やっぱりテツが喧嘩するシーンは全部最高です。例えば、ボクシングのチャンピオンや幕内力士とか、そういう桁違いに強い人をテツは軽々と倒してしまうんですよね(笑)。読み進めていくのと同時に、テツが強いやつをどんどん越えていくっていうワクワク感があります。

■泣いて笑えるってこの作品のためにある言葉

──『じゃりン子チエ』の魅力、そしてお好きなキャラクターについて語っていただきましたが、本作が時代を超えて愛され続ける理由はなんだと思いますか?

せいや:やっぱりどんなに時代が進化しても、みんな心のどこかで『じゃりン子チエ』のような世界観を求めていると思うんです。作中で描かれている、現代にはない人との距離感や深さ。じゃあ実際にチエちゃんのホルモン屋に行きたいか? と聞かれたらちょっと遠慮したいですが(笑)、外から眺めている分にはすごく楽しいし、温かさを感じますよね。

──では、これから『じゃりン子チエ』を読まれる方に向けて、本作の推しどころをアピールするとしたら?

せいや:『じゃりン子チエ』は面白い話だけではなく、泣ける話も結構多いんです。チエちゃんには父親のテツと別居中の母親がいるのですが、子供ながらに二人の仲を取り持とうとするいじらしさ、あとテツと母親の夫婦だからこその雰囲気……感動的な親子の話でもあるんです。本当に、泣いて笑えるってこの作品のためにある言葉なんじゃないかなって。一度手に取ったら、きっとそのまま一気読みしたくなると思います。

COLORFUL
2023年7月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

双葉社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク