『流れと対応がチャートでわかる! 子どもと大人の福祉制度の歩き方』
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『流れと対応がチャートでわかる! 子どもと大人の福祉制度の歩き方』浜内彩乃著
[レビュアー] 東畑開人(臨床心理士)
「社会は厳しい」と言われていて、確かにそういう面もあるのだが、本当のところ社会には優しい側面もある。人生がピンチに陥ったとき、たとえば心を病んで休職せざるをえなくなったり、家庭で暴力が起こったりしたとき、社会には助けてくれる福祉制度が沢山(たくさん)あるからだ。
ただし、問題は福祉制度が迷宮のように複雑であることだ。どこに助けを求めれば、必要な支えが手に入るのか、全然わからない。
ここで本書の出番だ。チャート図が素晴らしい。福祉の迷宮を一望し、どこをどう歩けば必要なサポートが手に入るのか一目瞭然だ。しかも、具体事例が物語として書かれているから、ピンチの抜け出し方が追体験できる。
ぜひ一家に一冊、このガイドブックを常備して、周囲にピンチの人がいたら、社会の優しい制度を案内してあげてください。そう、社会には優しい人もいることを、身をもって示してもらいたい。(ソシム、2200円)