女優の杏 マナーについて「マニュアルを学ぶより、相手に対する洞察力や思いやりが大事」

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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 女優の杏さん(30)とナビゲーターの大倉眞一郎さんが毎週1冊ずつ本を持ちより紹介するJ-WAVEの番組「BOOK BAR」。9月4日の放送では杏さんは食べ物にまつわるエッセイ、大倉さんはマナーに関して物申した一冊をとりあげた。

■語ることの尽きない「食べ物」について

 杏さんは「食べ物はやっぱり、いいよねぇ」と『いとしいたべもの』森下典子[著](文藝春秋)を取り上げた。この作品はエッセイストの森下さんが製あん機の会社のウェブサイトに連載していたもの。森下さんの手書きのイラストとともに食べ物とそれにまつわる思い出が語られる。写実的で美味しそうなイラストと、味覚を呼び覚ます文章で、誰もが懐かしく安らげるあの味を思い出す。とりあげられるのは、オムライスにくさや、ラーメン、カステラ、ブルドックソース、水羊羹、芋羊羹、秋茄子に鯛焼き等21品。具体的な食品名やお店の名前が出てきて、杏さんも「実際食べてみようかなと思わせてくれる」と語った。

 表紙にもなっているメロンパンについて大倉さんは「中にメロンが入っているんじゃないのかと思っていたら普通のパン」と外見との落差に驚いたという思い出を話すと、杏さんは「最近メロンパン美味しいのが出てるんですよ」と「三軒茶屋のメロンパン」を紹介。中もふわふわしっとりで美味しいのだが、いつも売り切れていて買えないと嘆いた。

■そもそもマナーって……

 大倉さんは「最近のマナーブームにいらついて、ついこの本を読んでみた」と『人生はマナーでできている』高橋秀実[著](集英社)を紹介した。同書は昨今のマナー教本ブームに待ったをかける一冊。高橋さんはこれまで意識もせず受け入れてきたマナーや所作は何がそうさせているのか、何故そう決まったのかを探り出そうと考察する。もちろんマナーの教本ではなく、マナーの奥に潜む日本人のおかしみについて考えている。

 大倉さんは「ものすごく面白い、爆笑してしまうので電車の中で読むのはまずい」と絶賛。マナーの成り立ちを探ってゆくと「人間の奥深さを感じた」という。杏さんはマナー全般について「マナーを学ぶことよりも、その場の状況を見て、この人には何が必要だろうと思える洞察力や思いやりが大事」とマニュアル通りに行うことがすべてではないと語った。

 また三3週連続のゲストで今週が最終回のモデル・タレントのラブリさんは『ペイネ・愛の本』レイモン・ペイネ[著](みすず書房)を紹介。八重洲ブックセンター上大岡店の平井真実さんは『三の隣は五号室』長嶋有[著](中央公論新社)を紹介した。

BOOK BAR」はJ-WAVEにて毎週日曜0時(土曜深夜)から放送中。

BookBang編集部

Book Bang編集部
2016年9月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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