嫉妬は愛情とはちがうことに初めての恋愛で気づかされた 花房観音✕森林原人トークショー

イベントレポート

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嫉妬は愛情とはちがうことに初めての恋愛で気づかされた 花房観音✕森林原人トークショー作家・花房観音さんの新刊『うかれ女島』の刊行を記念したトークイベントが、6月29日神楽坂のla kaguで開催された

 作家・花房観音さんの新刊『うかれ女島』の刊行を記念したトークイベントが、6月29日神楽坂のla kaguで開催された。

 新刊『うかれ女島』は、三重県志摩市にある「渡鹿野島(わたかのじま)」が舞台である。別名「売春島」と呼ばれた同島を舞台に、女性5人の生き様を描いた長編小説だ。

 トークのお相手は、昨年花房さんの『くちびる遊び』(新潮文庫)刊行記念イベントにも登壇された、人気AV男優の森林原人さん。2回目となるla kaguでのトークでは、前回以上の内容で会場は大盛り上がりとなった。

■舞台は「売春島」と呼ばれる実在する島

 花房さんが渡鹿野島の存在を知ったのは10年ほど前。バスガイドの仕事をしている中で、バス会社からきた行程表の読めない島の名前が目に付き、検索したのがきっかけだったという。「『渡鹿野島』と検索したら、(関連ワードで)売春、売春、売春……と出てきた。実際に行ってみると、京都から電車で4時間はかかるし、島へは船でしか行けない。でも、船でしか行けないところに男のロマンを感じて、この島に惹かれていった」と、島との出会いを振り返った。

 今ではリゾート化が進んでいる同島は、バスツアーのコースにも組み込まれているそうで、「行き先がわからないミステリーツアーのコースに入っていることがある。到着して(お客さんが島の歴史を知っていたら)びっくりするでしょうね」と花房さん。すると森林さんは「えーーっ」と、「売春島」と呼ばれた場所がツアーコースに組み込まれていることに大変驚いていた。

伝説のAV監督・代々木忠さんがサプライズ登場伝説のAV監督・代々木忠さんがサプライズ登場

■代々木監督から受けた人生最大の衝撃

 トーク直前に伝説のAV監督・代々木忠さんがサプライズ登場した。花房さんは「代々木監督といちファンとしてではなく、小説家として会いたい。(団鬼六賞を)受賞して2週間後に会えたので、ギリギリセーフでした」と2010年、はじめて直接会ったときの裏話を披露した。

 そんな代々木監督がお二人のトークを聞く中、花房さんと監督の衝撃的な「出会い」を告白した。
 
 初めてセックスする人と結婚するんだ、と20代前半まで思っていたという花房さん。大学生だったある年のクリスマスイブの日に、好奇心からアダルトビデオ店に入ったところ、「代々木忠監督コーナーがあって、そこで『ザ・面接』というAVがあったのでそれを見たんです。そこには恋や愛とかがないセックスが展開されて、今までの価値観がぶっ壊されるほど、人生最大の衝撃だった」と当時を振り返った。花房さんが「こうなってしまった責任はすべて代々木監督に」と笑った。

■嫉妬が一番の愛情表現……ではなかった

 トークは森林さんの学生時代の話に。男子校に在校していた森林さんは、恋愛を漫画やドラマで学んでいったそう。それらを見ていて、恋愛における一番の愛情表現は嫉妬だと感じたのだという。「例えば、シティーハンターの主人公である冴羽リョウに嫉妬する槇村香とか。嫉妬されるということが愛されていることだと思っていた」と語る。

 しかし20代のときにとても嫉妬深い女性と大恋愛を経験し、そのとき「嫉妬は愛情とは違うんだなと思った」と振り返る。彼女は修羅場になると包丁まで持ち出すほどの嫉妬深さで、それを見たときに「違う」と気づいたと語る。

 その彼女は「他の女性とセックスをして欲しくない。ニューハーフならいい」と話していたそうだが、実は森林さんが本当に楽しんでいたのはニューハーフとのセックス。当然そんな本心はおくびにも出さなかったと、常人には理解しがたい性豪ならではのエピソードを披露していた。

 会場はお二人から飛び出す、性愛にまつわる様々なエピソードで爆笑に包まれた。また、お客さんからの質問に対して、真摯に答えるお二人の話に真剣に聞き入っていた。

Book Bang編集部
2018年7月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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