「目標未達」が続くとき、チームリーダーがとるべき行動とは?――真面目すぎるリーダーほど要注意!

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photo by polkadot/Adobe Stock

チームの売上が伸びず今月も目標達成が難しい。メンバーのテンションは下がり、どんよりした雰囲気が職場に蔓延、さらに売上が落ちるという悪循環にハマりそう……。そんなときチームリーダーはどう振舞えばいいのか。チームとメンバーを救うには、どんな行動が求められるのか。

「リピート率9割」の営業研修トレーナー、伊庭正康氏に、ピンチを乗り越えるためにリーダーがとるべき行動を聞きました。

※本稿は伊庭正康『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』の一部を再編集したものです。

業績の悪いときこそ「意見の交換」を絶やさない

真面目なリーダーほど注意すべきこと

「目標達成に向けて、ストイックに仕事をし続けることは当たり前」──そんな風に考える真面目な人ほど、リーダーになった際には注意が必要です。

リーダーが目標達成にこだわりすぎると、部下は伝えたいことが伝えられづらくなり、「息苦しい職場」になってしまうものです。

仕事熱心なある上司の部下から、次のような話を聞いたことがありました。

「自分のやることを全部やったら、お客様に電話をしているフリをしています」と。

ストイックなリーダーがいる職場では、頑張っていると見えるように、仕事をしているフリをすることが横行してしまいがちなのです。

生産性向上に大きく寄与する要因として注目されている「オープネス」という考え方があります。

誰が、何を言っても許される職場、そんなオープンな職場こそが、最も生産性が高いというのです。実際にグーグルの調査では、リーダーシップの有無より、「なんでも言える」環境こそが、生産性向上に寄与すると実証されています。

まず、業績の悪いときこそ、がむしゃらに仕事をさせようとするのではなく、対話を増やしてください。

対話から、リアルな現状や、何を講ずるべきかが見えてくるでしょう。

業績が厳しいときこそ「ジョブクラフティング」を!

「ジョブクラフティング」という考え方をご存じでしょうか。

仕事のとらえ方を変えることで、今までいやいや取り組んでいた仕事が「やりがい」のある仕事に変わる、という理論です。

業績の厳しいときほど、「やらされ感」が蔓延してしまうもの。

そこで、このジョブクラフティングを、業績の厳しいときにこそ、取り入れるのです。ジョブクラフティングでは、「やりがい」を持つためには、次の3つの要素が必要とされています。

1.貢献実感………誰に貢献しているのかを把握する

2.かかわる人……仕事でかかわる人の数を増やし、対話を増やす

3.アレンジ………仕事を自分なりに工夫してアレンジする

業績が厳しいときこそ、メンバーを集め、仕事のとらえ方を変えるためにミーティングを開いてください。

数字の確認だけではなく、直面している目標を達成しないといけない意味、つまり今の努力が「誰のため」になっているのかをリーダーが語るのです。

営業や販売なら顧客のためですし、間接部門なら、関係するセクションを強くするためでしょう。また、ほかのメンバーとかかわりながら、さまざまな意見を確認し、各メンバーが自分の仕事をアレンジする場にしましょう。

リーダーがストイックになると、職場の空気は重くなります。業績の悪いときこそ、逆に各メンバーの主体性を高める必要があるのです。

「遊び心」や「雑談」を忘れない

「遊び心」や「雑談」がチーム全体の発想を広げる

『エッセンシャル思考』(かんき出版)の著者で、シリコンバレーのコンサルティング会社のCEO、グレッグ・マキューン氏は、「遊び」には脳の活動を活発化し、ストレスを軽減し、考えの選択肢を広げる効果がある、と述べています。

真面目に目標にチャレンジすればするほど、必要になるのは「遊び心」や「雑談」です。あなたのチームにも「遊び」を加えて、ときにはオンライン上でも構わないので「雑談」を奨励しながら、仕事をしてみましょう。さもないと、決めたことをひたすら貫徹することしか尊ばれない、柔軟性のない職場になってしまいます。

グレッグ・マキューン氏は、「遊び」によって、次の3つの効果を得られると紹介しています。

・脳の高度な機能を活性化させ、「優先順位づけ」「スケジューリング」「予測」「決断」「業務の移譲」などにプラスの働きがある

・ストレスを軽減させる。重い気分を取り除いてくれる

・常識にとらわれない発想が生まれ、選択肢を広げることができる

目標を達成したとき、みんなで握手をしたり、クラッカーを鳴らしたり、上司がかぶり物をしたり……。また、目標を追いかけている途中でも、バカ笑いが起こるような朝礼をする、といったような振り幅を持つ会社は数多くあります。

私自身も、朝礼でダンスを踊ったり、漫才をしてくれるメンバーがいたりする、そんな朝から大笑いをするような職場で働いていました。

そういう職場の場合、会社に来るのが楽しくなるうえに、営業ミーティングも明るくなります。

とはいえ、アフターコロナの今、握手は難しいでしょうし、時差出勤、リモートワーカーもいます。新しい「遊び」のある取り組みを、オンラインミーティングなどで決めてみてはいかがでしょうか。

「ウチの会社では無理」という環境こそがチャンス!

でも、「ウチの会社には、そんなムードはないので無理だ」と思われたかもしれません。そんなことはありません。逆です。重苦しいから、職場がつまらない、という状況ではないですか。そんな職場だからこそ、「遊び」を推奨することに、大きな意味があるのです。

あなたの職場にフィットする「遊び」を取り入れることで、重苦しい会社の雰囲気を吹き飛ばしましょう!

むしろ、「遊び」や「雑談」から、とんでもないアイデアが出ればラッキーです。ぜひ、やってみてください。

真面目に目標達成を追求すればするほど、職場は暗くなり、離職者もたくさん出てしまいます。戦略的に「遊び」や「雑談」を取り入れてこそ、本物のリーダーなのです。

霧の中で「アクセル」を踏ませない

「いつブレーキを踏むべきか」を指示しているか?

チームのメンバーが目標を追いかけようと、「やみくもに行動」しているということはありませんか。

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部下「1日20件の訪問をしているのですが、結果が出ません」

上司「では、どうするの?」

部下「明日は25件まわります」

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こういった話が、ダメな例としてよく紹介されます。

これでは、視界の悪い霧の中で、さらにアクセルを踏むようなもの。

危険でしかありません。

はたして、この道で良いのか、それとも別の道を進むべきか、一度、ブレーキを踏んで周囲を見わたす必要があるわけです。つまり、「対策の見直しの機会」を持つことです。対策の見直しとは、次のような手順を指します。

Step 1 本当に、このままで達成はできるか?

Step 2 今の方法だけでなく、もっと確実な、ほかの手段はないか?

Step 3 いつ、何ができている状態にするか?

うまくいかないときこそ、一度立ち止まって検証をし、具体的なスケジュールに落とし込まないと、「到着点が間違っていた」「ガソリン不足になった」なんてことになりかねません。

週に1回は「対策のための面談」を

進捗が良くても、悪くても、メンバーと1週間に1回は対策のための面談を必ずしましょう。簡単なもので構いませんし、オンラインでもOKです。

メンバーと面談をするときは、まずはメンバーから「進捗の状況(このままで大丈夫か)」「ほかに方法はないか」「今後どうするか」の報告をしてもらってください。

これもメンバーの「主体性」を引き上げるマネジメントの一つ。自分自身で考える機会を部下に与えるのです。

「環境のせい」「相手のせい」にしているうちは、その部下は今後も「やらされ感」を持ちながら仕事をすることになるでしょう。一方で自分が考えた改善策だと、「特別なスタート」を切れるようになります。

時折、リーダーが「とりあえず、頑張ろう!」としか言っていないミーティングを見ます。これでは「何を」頑張るのかが、わかりません。

アクセルを踏むべきは、「するべきことが明確になっている」状態のときだけです。

まずは面談で一人ひとりにどう対策を立てればいいのか、考えてもらってください。自主的に考えることで、各メンバーの「やる気アップ」につながることでしょう。

日本実業出版社
2020年10月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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