命を危険にさらして

5人の女性戦場ジャーナリストの証言

命を危険にさらして

著者
マリーヌ・ジャックマン [著]/アンヌ・バリエール [著]/パトリシア・アレモニエール [著]/リズロン・ブドゥル [著]/アンヌ・クレール・クードレイ [著]/遠藤ゆかり [訳]
出版社
創元社
ISBN
9784422360126
発売日
2020/10/07
価格
1,980円(税込)

内容紹介

1980年代~現在まで、フランス最大のテレビ局TF1に所属しながら、各地の紛争や革命の現場をニュースとして届けるために奔走した5人の女性戦場ジャーナリストのエッセイ集。
男性だけが担当していた戦場ルポルタージュの世界に飛び込んだ最初期の女性ジャーナリストであるマリーヌ・ジャックマンとパトリシア・アレモニエール。
彼女らが切り拓いてきた道を追う2000年代の女性戦場ジャーナリストであるリズロン・ブドゥルとアンヌ=クレール・クードレイ。
そして2010年代にこの世界に入り、自らビデオカメラを抱え、撮影から報道までをひとりで担うことのできる映像ジャーナリストであるアンヌ・バリエール。
世代も経歴も異なる5人の女性戦場ジャーナリストが、過酷な環境での仕事にかける自身の情熱と誇り、逃れられない深い無力感や悲しみ、そしてそれらを癒すための人間的な時間について、飾らない赤裸々な言葉で綴っている。

戦場ジャーナリストは、家族や故郷から遠く離れた戦場に赴き、目の前で人が殺され、仲間を喪い、自身も銃弾やマチェーテ(山刀)に襲われるような過酷な環境のなかで、きわめて冷静に、できるかぎり公平な立場で事実を報道することを求められる。
もっとも危険な職業の一つでありながら、理解を得られず批判を受けやすい立場でもある。
しかし、感情を抑える職業意識があるからといって、感受性や記憶がなくなるわけではない。
本書は、戦場のルポルタージュではない。
5人の著者が、戦場ジャーナリストとして、女性として、そしてひとりの人間として、職務においては見ぬふりをしなければならないさまざまな事柄に再び目を向け、答えを出そうと言葉を紡いだ真摯なエッセイなのである。

データ取得日:2024/04/22