貧困という監獄
グローバル化と刑罰国家の到来
内容紹介
日本でも、安全・安心街づくりの引き合いに出される「ゼロ・トレランス」。軽犯罪をも厳重に取り締まることで犯罪率が低下し、治安悪化を防ぐというこの考え方は、NY警察から世界中に広まり、本国アメリカでは逮捕者が急増、刑務所はパンク状態だそうですが、この政策は、労働市場の底辺層(下層階級や移民)が標的で、貧乏人には福祉手当ではなく監獄をあてがう(貧困を犯罪化する)方が国家予算を削減できて効率的という発想に支えられ、国家の社会福祉機能の脆弱さと表裏一体なのです。本書はこのような国家体制を痛烈に批判し、公の「社会的機能」創出の緊要性を喝破した、仏の大ベストセラーです。
データ取得日:2024/04/25
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