改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』

〔演出家としてのベケット〕

改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』

著者
堀真理子 [著]
出版社
藤原書店
ISBN
9784865781380
発売日
2017/09/21
価格
4,180円(税込)

内容紹介

本書のねらいは『ゴドー』の舞台を楽しむために、またその戯曲を味わうための指針となるよう、この作品に秘められた未曾有の仕掛けを明かし、筆者なりに紐解いていくことである。その仕掛けの解読に欠かせないのがベケットの遺した『ゴドー』の「演出ノート」である。
ベケットが自分の戯曲を舞台化し、「演出家」としても活躍していたことは研究者や一部の演出家を除き、あまり知られていない。しかし、彼は作家業に負けないぐらい、「演出家」として綿密な構想を練って舞台作りに当たっていた。
ベケット自身の演出による『ゴドー』の初上演舞台は1975年、旧西ドイツ、西ベルリンのシラー劇場だった。『ゴドー』執筆から25年を経ての挑戦だったが、この上演でベケット自ら、出版された台本に何百か所も手を加え、より洗練された作品に作り直している。その演出上の改訂からは、ベケットがめざした舞台、作品の全容が見えてくる。
(本書「まえがき」より)

データ取得日:2024/05/08