砂漠が街に入りこんだ日
内容紹介
フランス各誌が驚愕!
「大事件」とまで評された、鮮烈なデビュー作。
こ の 距 離 が、 私 を 自 由 に し た。
あらたな「越境」小説集。
出身地である韓国を離れ、渡仏した若き鋭才、グカ・ハン。
選びとったフランス語でこの小説を書くことが、自分のための、独立運動だった。
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そこは幻想都市、ルオエス(LUOES)。人々は表情も言葉も失い、亡霊のように漂う。
「私」はそれらを遠巻きに眺め、流れに抗うように、移動している。
「逃亡」「反抗」「家出」、その先にある「出会い」と「発見」。
居場所も手がかりも与えてはくれない世界で、ルールを知らないゲームの中を歩く、8人の「私」の物語。
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登場人物は誰もがみな移動している。
ある街から別の街に向かう者もいれば、ある国から別の国に向かう者も、あるいはただ川を渡り、向こう側に行くだけの者もいる。
彼らは現実の世界と夢や幻想の世界を、生と死の間を行き来する。
そもそもこれらの短編は、作者である私が二つの言語の間を絶えず往復した成果だった。
(邦訳版書き下ろし「作者あとがき」より)
◇ ◇ ◇
彼ら彼女らはちっぽけな個人では太刀打ちできない大きな力に直面し、しばしばそれに押しつぶされてしまっているように見える。
だが、グカ・ハンによれば、必ずしもそういうことではない。
登場人物たちは、しばしば世界から身を閉ざし、縮こまっているだけのように見えるが、それは理不尽な世界に対する反抗のひとつのあり方である。
(「訳者あとがき」より)
◆ 温又柔氏、斎藤真理子氏より推薦コメントが届いています! ◆
静かでありながら、とてつもなくけたたましい。
母語の檻の中でまどろんでいた意識が生き生きと粒立ってくる。
―― 温又柔
誰かの困惑の中に、すべての答がある。
後を追いかけていきたい、グカ・ハンの迷路。
―― 斎藤真理子
データ取得日:2024/04/25
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