シリーズ匠は語る シューシャイン一筋 キンちゃん

シリーズ匠は語る シューシャイン一筋 キンちゃん

著者
キンちゃん [著]
出版社
株式会社小林小屋
ISBN
9784910640006
発売日
2021/07/31
価格
1,999円(税込)

内容紹介

「シリーズ匠は語る」刊行にあたって 近年、情報技術(IT)が日覚ましい発展を遂げ、日常生活やビジネスに大きな変革をもたらしました。国もデジタル庁を創設し、省庁をはじめとする行政のデジタル化を本格的に押し進めようとしています。ITが身の回りに浸透したことでメールのやり取りや、簡単な手続きによる通信販売での買い物、さらにはオンライン診療などと誰もが便利さを実感しているのは事実です。ただ、IT化やデジタル化は便利さだけが過大に詳価され、負の側面にはあまり日が向けられていないのも否めない事実です。すでにITを悪用した金融犯罪が世界で横行し、個人のかけがえのない財産が奪われる事態にまで発展しています。 そうした中で私が危惧しているのは、IT化によって「社会の均質化」が進み、このことで十人十色の個性をもつ人間の多様性が無視され、人間固有のフロンティアスピリットも失われてしまうことです。 人類が叡智を集め長い時間をかけて創造と発展を繰り返してきた偉大な文化を簡単に消滅させることなど、あってはならないことです。 こうした最近の風潮が職人芸ともいえる卓越した手仕事の職業の消滅につながっていくことを心配しています。 既に、ものづくりの現場にはロボットが導入され、無人化工場という近未来的な風景も私たちの周囲に広がってきています。しかし、匠の技なくして産業が発展しないというのも真理であり、職人芸を軽視することは、日本のそして世界の衰退を加速させることになるでしょう。 そこで伝説的な職人芸を記録として残しておくことに、微力ながらお手伝いができないものかと考え、自費出版に挑みました。 最初に取り上げるのは、靴暦きのマイスターともいえる「キンちゃん」です。日本を代表する最高級ホテル、帝国ホテルの地下1階にシューシャインコーナーを構え、革靴を10分ほどで輝かせるというその技は、仏の名優アラン・ドロン氏、シンガボールのリー・クアンユー初代首相ら来館した幾多の著名人を唸らせました。キンちゃんに賞賛を送った著名人は政界、財界、芸能界と各界におよび、その数は数え切れないほどです。キンちゃんといえば、この世界では知らない人はいないといって過言ではありません。したがって全編、愛称のキンちゃんで通させていただくことで本人の了解も得ました。 オンリーワンともいえる卓越した熟練技術が生まれるまでの苦労、そのノウハウなどをありのままに語ってもらい、半生記という形に取りまとめました。不透明な時代にあって、特に若人にはこれからを生き抜くヒントにしてもらえれば幸いです。 併せて日本が蓄積した職人芸が少しでも多く次代に引き継がれることを願っております。また、これを機に私が出合った「巨匠」を順次、紹介できればと考えているしだいです。 令和3年5月 株式会社小林小屋社主

データ取得日:2024/04/22