目を疑う“ざっくり”提言 ホリエモン信者だけに届く特殊な何かを発信?

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東京改造計画

『東京改造計画』

著者
堀江貴文 [著]
出版社
幻冬舎
ISBN
9784344036277
発売日
2020/05/30
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

目を疑う“ざっくり”提言 ホリエモン信者だけに届く特殊な何かを発信?

[レビュアー] 今井舞(コラムニスト)

 クソな考えに縛られず、俺の言う通りにすれば、東京は素晴らしい街に生まれ変わる。そんなホリエモンによる東京都への緊急提言がまとめられたのが本書。

 混雑時に利用料金を高くすれば、渋滞解消、満員電車ゼロ。現金は非衛生・非効率だから使用不可能にし国民総キャッシュレス化。東京メトロと都営地下鉄は合併・民営化。……ま、この辺は、今さら言われなくとも、十分既視感ある話なのだが。何故それが未だ実現できていないのか、独自の着眼点を挙げるでもなく、問題解決への具体策を示すわけでもなく。テレワーク推奨も、「PCとWi-Fiさえあればどこでだって仕事はできる」。セキュリティはどうした。全提言に漂うこのざっくり感。

 唯一、みっちり具体的にアイデアを提唱していたのが、「若洲ゴルフリンクス」活用について。都心から十数分の好立地に全18ホール完備。なのに予約制でめったに使えずバカらしい。昼は今まで通り都民に開放し、夜は会員制で会員権を1億で売り出す。その金でナイター設備を整え、終夜営業。クラブで飲んだ後に女のコとアフターでラウンド。これで猛暑の東京でもゴルフを楽しめる。「誰かが強い意志をもって強い提言をしなければ、東京は変わらない!」って大仰に叫んでるけど、結局ここで死ぬほどゴルフがしたかっただけなんだねホリエモン。

 他の提案はといえば、

「江戸城再建」←マンガで読んで面白かったから。

「年寄り向け出会い系アプリ作成」←高齢者の健康寿命が延びる。

「東京を大麻解禁特区にする」←セックスが気持ちいいので少子化対策になる。

 ……ふぅ。「大麻の話をしたら袋叩きにされた。人の意見を聞かない。これはイジメだ」とも書いてあったが。いつも人の意見に聞く耳持たないのはアンタでしょうが。俺の言う事聞かない奴は皆クソ。でも賛同するなら有料オンラインサロンへようこそ。今はなき相棒・箕輪厚介が関っていたうさんくさアカデミアへ繋がるQRコードもついてるし。都民ではなく、自分を崇拝し金を落とす愚民の為だけに書かれた、何のことはない、いつもの犬笛本。

新潮社 週刊新潮
2020年7月9日号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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