『オーガ(ニ)ズム 上』
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『オーガ(ニ)ズム 下』
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【気になる!】文庫『オーガ(ニ)ズム』
[レビュアー] 産経新聞社
同時代を描き続ける作家が、故郷の山形県東根市神町(じんまち)を舞台に紡いだ長編小説3部作の完結編。2014(平成26)年3月、主人公である作家・阿部和重の自宅に、血まみれの米国人男性が転がり込む。男性はCIAの諜報員で、神町でのスパイ活動への協力を求めてくる。米大統領の来訪を狙った核テロ計画が疑われているという。男性に説き伏せられ、幼い息子とともに旅立った阿部は陰謀の渦に巻き込まれ…。
虚実を取り混ぜた活劇はコミカルで軽快。ただ、その奥底には、現代の情報社会や戦後日本に対する鋭い批評が流れている。(阿部和重著、文春文庫・上1177円・下1265円)