【気になる!】新書『災厄の絵画史』

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災厄の絵画史

『災厄の絵画史』

著者
中野京子 [著]
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784296114931
発売日
2022/12/13
価格
1,210円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】新書『災厄の絵画史』

[レビュアー] 産経新聞社

疫病、天災、飢餓、戦争…過酷な運命に翻弄され、格闘する人々を、画家は連綿と描き続けてきた。本書は「怖い絵」シリーズで知られる著者が、旧約聖書に登場する大洪水から中世社会を襲ったペストの猛威、第一次世界大戦まで、名画50点を取り上げ解説する。

帝政ロシア時代の戦争画家、ヴェレシチャーギンの代表作「戦争礼賛」(1871年)は時代を超えて示唆に富む。舞台はロシアの侵攻を受けた中央アジア・トルキスタンの戦場。うずたかく積まれた頭蓋骨にカラスがたかっている。画家の痛烈な皮肉とともに、むなしさを感じさせる。(中野京子著、日経プレミアシリーズ・1210円)

産経新聞
2023年2月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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