【気になる!】新書『東北史講義【古代・中世篇】』東北大学日本史研究室編

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東北史講義【古代・中世篇】

『東北史講義【古代・中世篇】』

著者
東北大学日本史研究室 [編集]
出版社
筑摩書房
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784480075215
発売日
2023/03/09
価格
968円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】新書『東北史講義【古代・中世篇】』東北大学日本史研究室編

[レビュアー] 産経新聞社

最新研究に基づく東北の通史。659年、遣唐使が蝦夷(えみし)を連れて朝貢したのは、倭国が異族を朝貢させる大国だと唐に示すためとされる。しかし本書では当時の国際情勢から、唐の皇帝の徳が遠方の蝦夷国に及んでいることを示し、倭国が唐に恭順の意を表す演出だったとの見方を示す。

また、中世初めに栄華を誇った平泉藤原氏は、財力や政治力を持つ正妻・後家に支えられていたという。9世紀に起きた大地震の被災者救済など、近畿中心の歴史と異なる視点が興味深い。東日本大震災を含む近世・近現代篇も同時発売。(ちくま新書・968円)

産経新聞
2023年3月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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