なりたい自分に近づく実践的技術「アファメーション」7つのステップ

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グローバルリーダーが実践する 「自分の可能性」を広げる リフレクションの技術

『グローバルリーダーが実践する 「自分の可能性」を広げる リフレクションの技術』

著者
西原 大貴 [著]
出版社
日本実業出版社
ジャンル
哲学・宗教・心理学/心理(学)
ISBN
9784534060020
発売日
2023/03/29
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

なりたい自分に近づく実践的技術「アファメーション」7つのステップ

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

「自分の可能性」を広げる リフレクションの技術』(西原大貴 著、日本実業出版社)を通じ、著者は“「自分の可能性」を広げる本質的で建設的な脳と心の使い方である「リフレクション」の技術”を伝えようとしているのだそうです。

しかし、ここでいう「リフレクション」とはなんなのでしょうか?

リフレクションの本質とは、見失っている自分の可能性を知ることです。

それは、心から望む自分の目的地と、ありのままの今の現在地、その道のりに自分の可能性があり、支えとなる仲間がいるということを、心の鏡に照らし映すことです。(「はじめに」より)

著者は「脳と心」をよりよく使うリフレクションを実践することにより、日本IBMの落ちこぼれ社員から米IBM本社のグローバル・リーダーへ自己変革を遂げたという人物。

本書では、主宰するリーダーシップ・プログラムで伝え、自身も実践してきたリフレクションの技術と効果、実践的なワーク、問いなどを紹介しています。

科学的理論と実績に裏づけされたリフレクションは、今まであなたが見失っていた新たな視界を提供します。そして、今までにない視界にある可能性への気づきが、圧倒的な行動と結果につながります。(「はじめに」より)

きょうは「自分らしさ」を知ることの意義を科学的に解説したという第2章「心から望むーーyour heart」内の、「心から望む自分らしさを作る『アファメーション』」に焦点を当ててみたいと思います。

「無意識」に意識的に介入する技術

私たちは自分の行動を「意識的」だと考えがち。しかし著者によれば、じつは意識的な行動は全体の5%もなく、95%以上は無意識の行動なのだそうです。当然ながら無意識の行動は反射的かつ自動的で、意思や努力を必要としません。つまり、無意識に記憶された経験によってつくられた「自分らしさ」を行動基準としているということ。では、5%以下の意識的な行動についてはどうでしょう?

5%以下の限られた意識的な行動は、反応に時間がかかり、意思の努力が必要です。そして、意識的な行動も、脳は無意識に作った自分らしさを判断基準にして行動しています。(118ページより)

もちろん、意識的に自分らしくない行動を選択することもあるでしょう。たとえば、やりたくないのに無理に努力して勤勉になるとか。しかし、そうした行動は自分らしさが変わらない限り長続きしないものでもあります。

だからこそ、結果を出すには行動を変える必要があるわけです。そして行動を変えるには、無意識にある自分らしさを変える必要があるのだと著者は主張しています。行動を変えて結果を出すには、すべての行動の判断基準である“無意識にある自分らしさ”を変えるべきだというのです。(117ページより)

心から望む自分らしさを言語化する

だとすれば必要なのは、無意識につくった自分らしさに意識的に介入することであるはず。そして、そうすることによって変化をもたらす決定的な技術が「アファメーション」、すなわち自己宣言なのだそうです。

アファメーションとは、無意識に意識的に介入する技術です。心から望む自分らしさを言語化し、言語化したアファメーションを日々意識的にリフレクションする方法論です。

アファメーションの日々の実践により、心から望む自分らしさを無意識の自分らしさとして同化させることができます。

脳は言語を読むと無意識に映像化して、映像化された姿に感情を抱きます。言語、映像、感情という要因が、無意識にある記憶に強い影響を与え、自分らしさを作るのです。(119ページより)

そこで著者は、自分が自らの可能性を最高に発揮している姿をリフレクションし、言語化することをすすめています。なお、アファメーションを作成して実践するには、7点の注意事項があるそうです。(117ページより)

アファメーションの実践

1. 個人的、主体的な文章にする

「『妻に』尊敬されている」ではなく「『私は』妻を愛している」というように、自分が主体的に行動できる内容を文章化するということ。

2. 他人の評価を含まない

「他人より優れていたい」など、他人あっての基準に依存せず、自分が決める心から望む自分らしさを文章化するということ(例:「インスタ映えするような国に旅行している」ではなく、「新しい出会いと感動のあるさまざまな国を旅行している」など)。

3. 意識を向けたい肯定分で書く

「過去に囚われた“なりたくない自分らしさ”」ではなく、「心から望む自分らしさ」を文章化する。

4. 実現している自分を現在進行形・現在完了形で表す

「○○をしたい」などの願望を書くと、過去の失敗経験などに意識が向いてしまいがち。そこで「○○している」「○○になっている」など現在進行形、現在完了形によって、過去に囚われた脳の介入を排除する。

5. 感情(うれしい・楽しい・誇らしい・気持ちいい・穏やか)を含める

心から望む自分らしさを想像し、あらゆることを実現しているときの感情を含めた言語化が、脳への同化を加速させる。

6. 臨場感と精度を日々高める

アファメーションした自分らしさに臨場感を感じることで。脳はアファメーションした内容を同化していく。そこで、アファメーションで言語化した、心から望む自分らしさに意識を向ける時間をつくる。

7. ドリームキラーには教えない

人は自分が見てきた視界で物事を判断するため、人の夢を「現実味がない、意味がない」などと判断してしまうもの。しかしアファメーションは自分だけのものなので、その内容な100%肯定してくれる人とだけ共有すべき。

まずはアファメーションを作成して実践してみれば、リフレクションを実現するための視野が広がるかもしれません。(120ページより)

著者によれば「リフレクション」とは、自分の可能性を知ることのできる、科学的な理論と実績に基づく“再現性のある方法論”。

それを知ることができれば、自分の可能性をさらに発揮することができるというわけです。「理想的な自分」であり続けるために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: 日本実業出版社

メディアジーン lifehacker
2023年5月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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