完璧主義はまず手放す。「すぐやる人」が仕組み化している2つの習慣

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

完璧主義はまず手放す。「すぐやる人」が仕組み化している2つの習慣

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

どんどんたまっていく仕事をこなすためには、モチベーションを高めて効率的に動くことがなにより重要。それはわかっているけれど、なかなかやる気になれず、結果的には自己嫌悪に陥ってしまったりすることにーー。

そんな思いをしたことは、誰にでもあるのではないでしょうか? もちろん、高いモチベーションや根性、意志の強さなども時には必要とされるものではあります。しかしそれでも、『どんなことでもすぐやる技術』(石川和男 著、Gakken)の著者は「毎回“精神論”ばかりでは動けません」と断言しているのです。

なぜなら、現実的にはモチベーションが高い日ばかりではないから。

そこで本書では、マインドセットや考え方も紹介はしますが、どちらかというと仕組み作りに力点を置きました。というのは、仕組みに当てはめさえすれば、気が乗らないときでもすぐやるのが簡単になるからです。(「はじめに」より)

ちなみに著者は、成功している人と成功していない人との間には決定的な違いがあると指摘しています。成功している人は例外なく、やりたいことだけではなく、やらなければならないことも「すぐやる」というのです。しかも、最初の一歩をどれだけ早く踏み出せるかによって、結果は大きく変わるとも述べています。

100点満点の書類だとしても、期限が過ぎてから提出しても何の意味もありません。仕事は時間との勝負でもあるのです。

まず動く、行動する。早くスタートしたものが勝つようになっているのです。(「はじめに」より)

こうした考え方に基づく本書のなかから、きょうは第3章「『すぐやる人』になるための日々の習慣」に焦点を当ててみたいと思います。

優先順位の高い仕事から、やってはいけない

優先順位の高い仕事から始めて次々とタスクを終わらせ、意味のない残業はせずに帰り、充実した時間を楽しみたい。

時間を有意義に使いたいとの思いから、多くの方はそう考えるはず。

しかし、それはなかなかうまくいかないことでもあります。なぜなら優先順位の高い仕事には「面倒な仕事」「大変な仕事」「難易度の高い仕事」が多く、「やらなければ」と考えるだけで嫌になってしまったりするものでもあるから。

そのためつい先延ばししてしまったり、他の仕事にも身が入らなくなったりするわけです。けれども、そのためにリズムが崩れ、その日の仕事全体のパフォーマンスが落ちてしまうのだとしたら考えもの。

では、どうしたらいいのでしょうか?

締め切りが迫っているときや、気合の入っている日は別ですが、通常は優先順位の高い仕事からやろうと思っても、なかなか動けません。そこでウォーミングアップから始めるのです。

スケジュールを確認して今日1日の構想を練ったり、メールやチャットの確認をして返信したり、株価動向や同業他社の関連ニュースを業界新聞で読んだり、軽めの作業をしたりしてから優先順位の高い仕事に取り掛かるのです。(77ページより)

軽めの作業をしているうちにエンジンがかかり、無理なく動けるようになるわけです。

ただし、軽めの作業には期限を決めておくことも必要。期限がないと、ニュースを見たりネットサーフィンをしたり、無意識のうちに関係のないことをしてしまったりするものだからです。そのため、軽めの作業は10分や15分と期限を決め、時間がきたら優先順位の高い仕事にシフトチェンジしていくべき。(76ページより)

完璧主義を完璧にやめる

近代建築における三大巨匠のひとり、ミース・ファン・デル・ローエに、「神は細部に宿る」ということばがあります。「細部にまで気を配り、こだわってつくった芸術品こそ、神の命を宿したかのごとく素晴らしい」という意味。

後述するとおり著者は建設会社社員でもあるため、当然ながら工事は完璧に仕上げることを目指しているといいます。そもそも手抜きをしたら信用にかかわりますし、以後の受注にも影響することになります。だからこそ、完璧な仕上がりを追求するということ。

しかし、内部資料や提出前の企画書などは、完璧を目指さないことも必要です。そういうと聞こえが悪いですが、完璧主義だといつまでも仕事が終わりません。やる気のあるビジネスパーソンに限って、その罠に陥っています。

社内文書などは、時間をかけて100点満点を目指すよりも、70点の出来でよいので、スピードを上げることが先決です。(79ページより)

著者によれば、仕事に燃えている社員に限って、完璧に仕上げようと必要以上に努力してしまうものだそう。しかし、“不必要な完璧”を目指して時間をかけすぎるのはあまり意味のないことであるよう。たとえば、時間をかけてつくったものの方向性が間違っていてやりなおしになったとしたら、とんでもないタイムロスになってしまうわけです。

完成度に不安があれば、途中の段階で「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をすることで、やりすぎも、やり間違いも防げます。学校のテストの答案と違い、会社の答案(書類)は、何度提出してもいいのです。

仕事の成果とは、「完成度×時間効率」です。どれだけ完璧に仕上げても、残業してまでいいものを作っていてはコスト増になります。(81ページより)

むしろ問題視すべきは、完璧に仕上げようと思うあまり、最初の一歩が踏み出せないこと。だからこそ「適当でいい」という感覚で、まず動くことが重要だというわけです。

「完璧」を目指さずに「完了」を目指し、ヴァージョンアップを繰り返す。それこそが、いち早く完璧に近づくことができるコツ。そのため、作業の現場においてはさまざまな“完璧に”を捨て去る必要があるのだと著者は主張しているのです。(78ページより)

過去にも著作をご紹介したことがありますが、著者は現在、建設会社役員、税理士、明治大学客員研究員、ビジネス書著者、人材開発支援会社役員COO、一般社団法人国際キャリア教育協会理事、時間管理コンサルタント、セミナー講師、オンラインサロン石川塾主宰と、9つの肩書きのもとで仕事を同時にこなしている人物。

つまり本書の内容は、そうした自身の活動に裏づけられているわけです。だからこそ、「すぐやる人になりたい」という方にはきっと参考になることでしょう。

Source: Gakken

メディアジーン lifehacker
2023年8月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク