『くじけない心のつくりかた』
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くじけやすい人も変われる!今日からすぐできる「心を鍛える」習慣とは?
[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)
「くじけやすい」人は、必ずしも、不真面目な人ではありません。
「心が弱い」人でもありません。
むしろ、まじめな、がんばり屋さんがほとんどです。
ただ、「くじけないコツ」をしらないだけなのです。
ちょっとしたコツをつかめば、「くじけない人」に生まれ変わることができます。(「まえがき」より)
『くじけない心のつくりかた』(植西 聰 著、あさ出版)の著者はこう述べています。そしてこのことに関連し、「くじけないためにもっとも大切な3つのコツ」を明らかにしてもいます。
1つめは、「心を立てなおす方法を知っておく」こと。落ち込むことは誰にでもありますが、落ち込んだままではつらさが増すばかり。しかし、上手に立ちなおる方法を知っておけば、くじけそうになっても乗り越えることができるわけです。
2つめは、「失敗することを恐れない」こと。「怖れ」という感情は、気持ちをくじけさせてしまう大きな要因。そこで、なるべく楽天的に考え、楽天的に生きていくよう心がけるべきだということです。
3つめは、「工夫して困難を乗り越えていくことを楽しむ」こと。うまくいかない状況にあったとしても、それを打開するためいろいろと工夫することを「楽しむ」姿勢を持つことが大切だという考え方です。
たしかに幸せで充実した人生を送るためには、こうした考え方を活用し、“くじけて動けなくなってしまう時間”を少なくするほうがいいはず。そこで本書では、どうすれば「くじけない心」をつくれるかについて、さまざまな角度からアドバイスを試みているのです。
きょうはそのなかから、第4章「楽天的なくらい『前向き』でいる」をクローズアップしてみたいと思います。
くじけない心は日々のトレーニングでつくられる
うまくいかないことがあると、すぐに「もうダメだ」とくじけてしまい、努力することをやめてしまう人がいます。しかし当然ながら、それではいつまでたっても夢を叶えられるはずがありません。
心がくじけやすいことを「心が弱い」と表現することがありますが、著者によれば「心が弱い人」は、ちょっとつまずいただけで簡単に心が折れてしまうのだとか。したがってそういうタイプの人は、日ごろから「心を鍛えるトレーニング」を積んでおくべきだそうです。
とはいえ難しいことではなく、大変なことでもないようです。具体的には次の3つのことを心がけ、日々を過ごすだけでOK。
・前向きに考える。
・明るい気持ちを持つ。
・楽天的になる。
(69ページより)
日常的にこの3つを心がけて生きていくだけで、人の心は少しずつ強くなっていくということ。つまり、ちょっとしたことでくじけないようになれるわけです。(68ページより)
なにごとも「少しずつの進歩」を認める
心がくじけやすい人には、「マイナス思考にはまりやすい」という特徴もあるようです。たしかに、「どれだけ努力しても、なかなかうまくいかない」ことはあるもの。しかし大切なのは、そこで「もうダメだ」とあきらめるのではなく、前向きに考えること。
たとえば口ベタで悩んでいる人が話し方を学ぶ教室に通ったとしても、すぐに上達することはないかもしれません。しかしそれでも、少しずつはうまくなっているはず。その「少しずつの進歩」に着目し、「このままがんばっていけば、必ずいつか、うまくしゃべれるようになる」と信じることが大切だということです。
また、明るい気持ちを持つことも大切です。
自分が思うようにうまくしゃべれないことがあっても、そこで思い悩んだ顔などせずに、明るく振る舞うよう心がけましょう。
そして、口ベタであることに、楽天的な気持ちを持つのです。(71ページより)
楽天的に考えることができれば、深く落ち込まずにすみます。そしてそのまま少しずつ歩みを進めていくうち、やがて心がくじけないようになるわけです。(70ページより)
「やる価値」があることは失敗しても価値がある
人生は、ときに大きな試練を与えるものでもあります。たとえば、大きな壁が立ちはだかって、どうしてもその先に進むことができないとか。あるいは、大きな失敗をして挫折を経験することもあるでしょう。
誰にも起こりうることではありますが、とはいえそのような経験をすれば、心がくじけそうになっても無理はありません。しかし、そこで「もうダメだ」「なにをやってもうまくいかない」などと考えてしまったら、そこから先に進むことはできなくなってしまいます。
人生は、心の持ち方次第で、よい方向に向かっていくこともあれば、悪い方向へ落ちていってしまうこともあるもの。したがって、大きな試練に見舞われて苦しいときこそ、前向きで、明るく、楽天的な気持ちを持つことを心がけていくべきなのです。
なぜならそうすることで、くじけることなく前へ進んでいくことができるから。
西洋の格言に、「やる価値のあることは、失敗したとしても価値がある」というものがあります。
願望を実現するためにがんばっている途中での失敗は、頑張っているからこそ起きた失敗です。
だからこそ「価値がある」、つまり、いい人生経験になります。(83ページより)
いわば、失敗しても落ち込む必要はないのです。むしろ前向きに、明るく、楽天的に生きていくべき。心の持ち方次第で、これからの運命は大きく変わっていくものだからです。(82ページより)
ビジネスの現場においては、心が折れそうになってしまうことはよくあるもの。ある意味でそれは避けられないことでもありますが、だからこそ本書を活用し、心を立てなおしやすくするべきかもしれません。
Source: あさ出版