『ラザロの迷宮』
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『ラザロの迷宮』神永学著
[レビュアー] 産経新聞社
「心霊探偵八雲」シリーズで人気の作家がデビュー20周年で挑んだ初の本格ミステリー長編。
ミステリー作家の月島理生は、殺人事件の犯人を当てる脱出ゲームに参加した。その会場で本物の死体が発見される。一方、記憶を失った男が血まみれで警察署に現れ、刑事の美波紗和が捜査に当たるが-。2人がそれぞれ目の当たりにする不可解なできごとは、つながるようでつながらない。
帯付きに見えるカバーは、イラストと惹句部分との境目から展開できる仕掛け。裏側に物語を巡るショートストーリーが隠れている。本編を読む前後で仕掛けの味わいが変わる。(新潮社・1980円)