実は神話時代から続く「人前で化粧をするのはありえない」という風潮――意外にラノベっぽい「日本を作った兄と妹の物語」

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宮崎県高千穂峰に突き立つ天逆鉾。国産みにある天沼矛の別名とされている(photo by japal/fotolia)

真面目、和を乱さない、おもてなしをする…こうした日本人らしさや行動原理は、いつ頃に生まれて、どのように受け継がれてきたのか知っていますか?

日本人は一体何を考えてきたのか。それを知るには、日本の思想の流れを知るのが一番でしょう。古代から現代までの流れを読んでいくと、そこには今を生きる私たちの根本があることが分かるはずです。

外国人から「ワビサビってなんだい?」「なんで日本は治安がいいんだ?」「日本人の信仰について教えてくれよ」と聞かれたときに答えられるよう、日本思想の旅へと出てみましょう。

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「歴史は繰り返される」という言葉や、オットー・フォン・ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉から察せられるように、「歴史」を知ることは、私たちがこの世界を生き抜くうえで有効な武器になるのは確かです。

しかし、歴史とともに知るべきものがあります。それは「思想」です。今の日本人の行動原理は神道や仏教、武士道、わび・さびといったさまざまな思想の蓄積の結果によるものであり、その始まりを探ると日本の神話まで行きつきます。

日本の神話なんて知らないよ、という人でも日本武尊(ヤマトタケル)や伊邪那岐(イザナギ、伊弉諾とも書く)・伊邪那美(イザナミ、伊弉冉とも書く)といった名前くらいは聞いたことがあるでしょう。実は神話の世界には、今の私たちの生活の根底をなす文化や存在がすでに登場しています。そして、そのことを知るだけでも、今を生きる私たちが知るべき大事なことが分かるのです。

日本の神話時代はなぜなおざりにされてしまうのか?

日本の神話を紐解くには「記紀」を参照するのが一番です。「記紀」とは、712年に成立した『古事記』と、720年に成立した『日本書紀』という2つの歴史書のこと。教科書で習ったけれど、具体的に何が書いてあるかまでは分からない…という人も多いかもしれません。

というのも、日本という国の成り立ちが記された「記紀」は、第二次世界大戦の敗戦後、研究対象から遠ざけられてしまったからです。一体なぜでしょうか?

それは明治維新後、戦中まで日本の公式な歴史観とされた、いわゆる「皇国史観」が「記紀」に基づいていたからです。この「皇国史観」について、倫理や東洋思想に関する著作がある稲田義行さんの説明を借りましょう。

端的にいえば、日本という国の歴史は天皇とともにあり、天皇によって形成され、発展していく、という思想が皇国史観と呼ばれるものである。

その歴史観では、天皇は「万世一系」、すなわち血族によって皇室という一つの系統が連綿と続いていることを前提としている。皇国史観は、日本がいわゆる軍国主義だった時代の国家観であり、そのころの教育のよりどころであった。

(『一気にたどる日本思想』P53より)

戦後に「記紀」が遠ざけられたのは、このような事情があったからです。

日本実業出版社
2017年3月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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