60過ぎたってセンパイに聞きたい 高齢者が100歳に教えを乞う時代【ノンフィクション・教養書他ベストセラー】

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 3月22日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 ノンフィクション・教養書他第1位は佐藤愛子さんの人気エッセイをまとめた『九十歳。何がめでたい』が獲得した。
 第2位は100歳の現役精神科医の人生訓『こころの匙加減』。第3位は伊集院静さんの人気シリーズ「大人の流儀」7作目『さよならの力 大人の流儀(7)』となった。

 近年、アラハン本が売れている。アラウンドハンドレッドつまり100歳前後の著者が書いた本だ。今週も1位の佐藤愛子さんは93歳。2位の髙橋幸枝さんは100歳。4位の『置かれた場所で咲きなさい』の渡辺和子さんは執筆時85歳。この他にも105歳の医師・日野原重明さんや103歳の美術家・篠田桃紅さん、113歳の画家・後藤はつのさん、101歳の報道カメラマン・笹本恒子さんなど、偉大な先人に学ぶ本がここ数年で続々とベストセラーとなっている。5位の『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』も含め、高齢化の進む日本では高齢者も生き方に悩んでおり、自分よりもさらなる先達から学びたいと考えるのは人間の自然な態度だろう。

1位『九十歳。何がめでたい』佐藤愛子[著](小学館)

『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイに加筆修正を加えたものです。大正12年生まれ、今年93歳になる佐藤さんは2014年、長い作家生活の集大成として『晩鐘』を書き上げました。一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。(小学館ウェブサイトより抜粋)

2位『こころの匙加減』髙橋幸枝[著](飛鳥新社)

半世紀以上にわたり、医師として患者と向き合ってきた著者が明かす、毎日を心穏やかに、“ちょうどよく”生きるための40の真理! 100年生きてきて、思うのは匙加減の大切さです。「生きていく」とは、見極めていく営みにこの匙加減をほかなりません。(飛鳥新社ウェブサイトより抜粋)

3位『さよならの力 大人の流儀(7)』伊集院静[著](講談社)

私は二十歳代と三十歳代に別離を経験した。一人は弟であり、もう一人は前妻であった。なぜ彼、彼女がこんな目にと思った。その動揺は、なぜ自分だけが? という感情になった。ところがそういうものと向き合っていると、やがて別離を経験した人にしか見えないものが見えて来る。それは彼等が生きていた時間へのいつくしみであり、生き抜くしかないという自分への叱咤かもしれない。(講談社ウェブサイトより)

4位『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子[著](幻冬舎)

5位『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』弘兼憲史[著](海竜社)

6位『別冊クイック・ジャパン 3月のライオンと羽海野チカの世界』別冊QJ編集部[著](太田出版)

7位『野村證券第2事業法人部』横尾宣政[著](講談社)

8位『世界が再び日本を見倣う日 「トランプ砲」は恐れる必要なし』長谷川慶太郎[著](PHP研究所)

9位『がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事』神尾哲男[著](幻冬舎)

10位『白石麻衣写真集 パスポート』白石麻衣 中村和孝[撮影][著](講談社)

〈単行本 ノンフィクション・教養書他ランキング 3月22日トーハン調べ〉

BookBang編集部

Book Bang編集部
2017年3月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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