【手帖】『字が汚い!』

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 ■「字が汚い」汚名返上に悪戦苦闘

 パソコンやスマートフォンが普及し、手書きの機会が減った現代だからこそ、この悩みを抱える人は多いのではないか。『字が汚い!』(文芸春秋・1300円+税)という題名通り、著者の編集者兼ライター、新保信長の悩みは「字が汚い」こと。同書では、著者がどうにかして“大人っぽい字”を書けるようになろうと悪戦苦闘する様子が、軽妙なタッチで描かれている。

 52歳の著者が市販の「ペン字練習帳」を複数冊購入し、ひらがなの練習を重ねる様子は読んでいて涙ぐましい。そのうえで、ペン字教室の教師ら字の上手な人や、「字の汚さに定評のあるコラムニスト」ら字の下手な人に幅広くインタビューを敢行。字の上手な人と下手な人の間には、どんな意識の違いがあるのかを考察している。

 それだけではない。学生運動が盛んだった頃、大学構内の立て看板に書かれていた独特の「ゲバ字」や、1980年代の女子の間で流行し、その後消えていった「丸文字」なども考察。戦後日本の文字文化の変遷…といったら大げさだが、一読の価値はある。

産経新聞
2017年6月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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