大河ドラマに、ギリシャ神話、果ては飼い犬の血統書にまで! 古典エッセイストが系図マニアになった驚きの理由

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 歴史の授業でよくみた「系図」。天智天皇の弟が天武天皇で……とか、徳川家康、秀忠、家光、家綱、綱吉……家とか綱とか似たような漢字ばっかり! と、テスト前の絶望的な気持ちを思い出す方も多いだろう。

 だが、そんな系図作りが大好きというのが、古典エッセイストの大塚ひかりさんだ。

「私が古典文学にはまった中高生の頃から作っています」

 というが、それは普通の系図ではなく「女系図」なのだという。系図といえば、家督を継いだ息子、その父を中心とした男系の父系図が一般的だが、誰が母親かに注目した「女系図」でないと、見えないことが多いのだとか。

「紫式部と同時代の赤染衛門が書いたといわれる『栄花物語』を読んでいた時が最初です。『誰と誰が結婚し、誰が生まれて、誰が死んだ』という貴族社会の動きやスキャンダルから成り立っていて、内容を頭に入れようと思うと、系図を書かずにはいられなかったのです」

 歴史物の古典の場合も同様で、そのうち系図作りに熱中するあまり、系図を作るために古典文学を読むようなことにまでなっていったそう。

 趣味が高じて、大河ドラマを見ても、ギリシア神話を読んでも、飼い犬の血統書を見ても系図を作らずにはいられなくなったというが、そうやって作る手書きの系図がこれだ。↓

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手書きの系図

 これだけで何時間勉強するんだろう……と頭がクラクラしそうだが、大塚氏は、

「一つの系図作りで一日が終わることもありますが、あの人とこの人がつながっている! という発見の楽しさと驚きで、ランナーズハイならぬ系図作りハイになることもしばしば」だという。

「女系図は『作ってびっくり』の連続で、紫式部が、平安朝を騒がせた密通事件をおこした斎宮の『はとこ』だったり、滅亡したはずの平家が今上天皇につながっていたりします。源頼朝が義経をなぜ、あれほど恐れたのかも分かります」

「系図一本の二重線に、さまざまな愛憎や歴史がこもっている」と熱く、「系図愛」を語る大塚氏の力作46点以上が、『女系図でみる驚きの日本史』に収録されている。異色の「男色系図」(男同士の肉体関係を示した系図)などもあり、興味はつきない。

Book Bang編集部
2017年10月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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