宮部みゆき「『ツナグ』シリーズほどふさわしいお話はない」 辻村深月『ツナグ』続編刊行の意義

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 11月19日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、単行本 文芸書第1位は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲(18)』が獲得した。
 第2位は『人間』。第3位は『ツナグ 想い人の心得』となった。

 3位の『ツナグ 想い人の心得』は映画化もされた辻村深月さんのベストセラー小説『ツナグ』の続編。ツナグとは死者を呼び出すことができる特殊な仲介人のこと。ツナグとなった青年の成長と葛藤、青年のもとに訪れる依頼者と呼び出された死者との間に起こる切ないドラマを描いた作品。今作は前作から7年後が舞台。

 作家の宮部みゆきさんは前作について《ひとときの再会から生まれる波紋のようなドラマを描いた美しい連作短編集》と評す。そして前作から現実世界では9年の時が過ぎたことに触れ、《そのあいだに多くの自然災害が起こり、数多(あまた)の悲しい別れがあった。死者への祈りに、私たちは幾たびも頭を垂れてきた。この厳しい時代に、『ツナグ』のシリーズほどふさわしいお話はない。》と今作が刊行された意義を解説している。
https://www.bookbang.jp/review/article/594883

1位『デスマーチからはじまる異世界狂想曲(18)』愛七ひろ[著](KADOKAWA)

王都を襲った魔神の落し子を撃退し、無事に新年を迎えたサトゥー達。新たなユニークスキルも開放されたところで、アリサとルルを奴隷から解放できる『祈願の指輪』が王都のオークションに出品されることを知り――?(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『人間』又吉直樹[著](毎日新聞出版)

僕達は人間をやるのが下手だ。38歳の誕生日に届いた、ある騒動の報せ。何者かになろうとあがいた季節の果てで、かつての若者達を待ち受けていたものとは? 初の長編小説にして代表作、誕生!!(毎日新聞出版ウェブサイトより)

3位『ツナグ 想い人の心得』辻村深月[著](新潮社)

死者との再会を叶える使者「ツナグ」。長年務めを果たした最愛の祖母から歩美は使者としての役目を引き継いだ。7年経ち、社会人になった彼の元を訪れる依頼者たちは、誰にも言えぬ想いを胸に秘めていた――。後悔を抱えて生きる人々の心を繋ぐ、使者の物語。シリーズ累計100万部の大ベストセラー、9年ぶりの待望の続刊!(新潮社ウェブサイトより)

4位『祝祭と予感』恩田陸[著](幻冬舎)

5位『最強の鑑定士って誰のこと? 満腹ごはんで異世界生活(8)』港瀬つかさ[著](KADOKAWA)

6位『落日』湊かなえ[著](角川春樹事務所)

7位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

8位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ[著](文藝春秋)

9位『転生賢者の異世界ライフ 第二の職業を得て、世界最強になりました(4)』進行諸島[著](SBクリエイティブ)

10位『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す(2)』十夜[著](アース・スターエンターテイメント)

〈単行本 文芸書ランキング 11月19日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2019年11月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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