イエスでもノーでもない「灰色」が大事 京都人が磨いてきた「曖昧さ」を取り入れるべき 脳科学者・中野信子が提言[ノンフィクションベストセラー]

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 6月13日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノンフィクション・ライトエッセイ第1位は『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』が獲得した。
 第2位は『栗山ノート』。第3位は『ほどよく忘れて生きていく 91歳の心療内科医の心がラクになる診察室』となった。

 4位以下で注目は6位と10位にランクインした脳科学者の中野信子さんの2冊の書籍。6位『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』は脳科学の知見をもとに、不安や怖れに対する具体的な対処法を100個紹介した一冊。そのメソッドは人間関係が楽になる方法や、恋愛の掴み方、お金との向き合い方、自己肯定感を高める方法や勉強法にまでわたっている。

 10位の『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』は京都人が磨いてきた「曖昧さ」をコミュニケーションの知的戦略として使うための指南書。中野さんは同書の「はじめに」で《現代にあってよく見かける「本音が大事」という、実はあまり根拠のない、相手を打ち負かす快感をほとんど自制することなくただ追い求めるような世間の風潮に、一石を投じることを試みてみたいなという気持ちもありました。》と昨今の「論破ブーム」「本音ブーム」に疑問を投げかける。そのうえで歴史的に「敵をつくらない」ことを大切にしてきた京都の人々の知恵を見直すべきと展開。そして相手との関係性を壊すことなくエレガントに自分の意志を伝え、心穏やかに過ごすための具体的な話法を紹介している。

1位『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』ジェーン・スー[著](文藝春秋)

よく知られている13人の女性たちが歩んだ道について聞いた、初のインタビューエッセイ。つまずきにもめげず腐らず、自分らしい花を咲かせた女性たちに、初めから特別な人はいませんでした。*毎日働いて、明日にバトンをつなぐだけで精一杯*「自分なんて」とつい諦めてしまう*人生が上手くいく人は自分とは違う人*自分を信じることができない人…そんな女性にもぜひ読んでほしい1冊です。■お話を聞かせていただいた13人齋藤薫/柴田理恵/君島十和子/大草直子/吉田羊/野木亜紀子/浜内千波/辻希美/田中みな実/山瀬まみ/神崎恵/北斗晶/一条ゆかり(文藝春秋ウェブサイトより抜粋)

2位『栗山ノート』栗山英樹[著](光文社)

監督就任から8年。リーグ優勝2回、日本一1回。名将はなぜ、常識を覆し感動を呼ぶ采配を振るのか?(光文社ウェブサイトより)

3位『ほどよく忘れて生きていく 91歳の心療内科医の心がラクになる診察室』藤井英子[著](サンマーク出版)

心はカラッと、人づきあいはサラッと、人生はすっきりと。過去は忘れて、未来の心配も保留に。後悔しない、競争しない、我慢しすぎない「今」の歩き方とは?「また寄りたくなる」と評判の漢方心療内科医の「軽くなる」生き方指南書。(サンマーク出版ウェブサイトより)

4位『102歳、一人暮らし。 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』石井哲代[著]中国新聞社[著](文藝春秋)

5位『20代で得た知見』F[著](KADOKAWA)

6位『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』中野信子[著](宝島社)

7位『それは信者8000万人の巨大カルト ザイム真理教』森永卓郎[著](三五館シンシャ)

8位『テムズとともに 英国の二年間』徳仁親王[著](紀伊國屋書店)

9位『マンガ ぼけ日和』矢部太郎[著]長谷川嘉哉[原案](かんき出版)

10位『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』中野信子[著](日経BP)

〈ノンフィクション・ライトエッセイランキング 6月13日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年6月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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