「VIVANT」で話題「別班」の真実に迫った一冊が大注目 石破茂も「存在はしています」と認める[新書ベストセラー]

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 9月5日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『裁判官の爆笑お言葉集』が獲得した。
 第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『世界はなぜ地獄になるのか』となった。

 4位以下で注目は4位『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』。TBS系ドラマ「VIVANT」で話題沸騰の情報部隊「別班」の実体に迫った一冊。「VIVANT」では日本と中央アジアを舞台に謎のテロ組織を追う、堺雅人さん演じる乃木憂助らが所属している陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」の活躍が描かれる。同書は同ドラマの参考文献としてあげられており、2018年に刊行された新書だが、ドラマが人気となったことで同書にも注目が集まり増刷となった。著者は共同通信で防衛庁(防衛省)を担当し「別班」の秘密をスクープした過去をもつ。

 ドラマが話題となったことで9月6日には石破茂元防衛相が「週刊文春」の取材に対し、別班について《「存在はしています。ただ、『これがそうだよ。大臣見てください』ということは一度もありません」》と答えたとの記事が配信された。

 公然の秘密でありながら、首相も防衛相もその動きを知らされることはないという別班。現在手に入りやすい書籍としては同書が唯一、別班について詳しく書かれた本である。ただし、同書では別班の後ろ暗い成り立ちについても深堀りされており、ドラマの副読本として手をのばすには少々重すぎる一冊かもしれない。

1位『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝[著](幻冬舎)

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『世界はなぜ地獄になるのか』橘玲[著](小学館)

人種や性別、性的指向などによらず、誰もが「自分らしく」生きられる社会は素晴らしい。だが、光が強ければ強いほど、影もまた濃くなる。「誰もが自分らしく生きられる社会」の実現を目指す「社会正義(ソーシャルジャスティス)」の運動は、キャンセルカルチャーという異形のものへと変貌していき、今日もSNSでは終わりのない罵詈雑言の応酬が続いている──。わたしたちは天国(ユートピア)と地獄(ディストピア)が一体となったこの「ユーディストピア」をどう生き延びればよいのか。ベストセラー作家の書き下ろし最新作。(小学館ウェブサイトより)

4位『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』石井暁[著](講談社)

5位『老い方、死に方』養老孟司[著](PHP研究所)

6位『ウクライナ戦争の嘘 米露中北の打算・野望・本音』手嶋龍一[著]佐藤優[著](中央公論新社)

7位『「発達障害」と間違われる子どもたち』成田奈緒子[著](青春出版社)

8位『新しい戦前 この国の“いま”を読み解く』内田樹[著]白井聡[著](朝日新聞出版)

9位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

10位『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』堤未果[著](幻冬舎)

〈新書ランキング 9月5日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年9月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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