【話題の本】『世界はラテン語でできている』ラテン語さん著

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■意外に身近な古典語

古代ローマで使われ、世界に影響を与えてきたラテン語。その魅力をX(旧ツイッター)で発信しているラテン語研究者が世界史・政治・宗教・科学・現代・日本をテーマにラテン語とのかかわりを解説した。

小難しい話より雑学的で「意外と身近なラテン語」が中心。カエサルの名言、コペルニクスやニュートンらの本、動植物の学名の記述をたどり、話題は「コロナ」「ウイルス」、フリマアプリ「メルカリ」、自動車メーカー「ボルボ」などラテン語由来の名称にも及ぶ。さらに「ハリー・ポッター」シリーズや東京ディズニーリゾート、漫画、ゲームにもラテン語が登場するという。

1月上旬発売で、現在5刷4万8000部。新書読者層の50~60代だけでなく30~40代にも読まれ、40代以下では女性が多いそうだ。

編集を担当した北堅太さんは「ラテン語は古代史、聖書などと同じく西洋のリベラルアーツの源流で人気の分野にもつながる。著者の筆致も読みやすく、専門知と分かりやすさのバランスがよかったのか」とヒットの理由を分析する。

ラテン語タイトルの漫画『テルマエ・ロマエ』の作者、ヤマザキマリさんと著者の巻末対談にはラテン語愛があふれている。(SB新書・990円)

三保谷浩輝

産経新聞
2024年2月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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