【話題の本】等身大のプリンセス 『赤と青のガウン』彬子女王著

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英オックスフォード大で博士号を取得した三笠宮家の彬子さまが、聴講生の期間を含めて通算6年に及んだ留学生活の思い出をつづられた手記。「生まれて初めて一人で街を歩いた」という女性皇族の等身大の日常生活と、異国で奮闘する日本美術の研究者としての姿がユーモアあふれる筆致で描かれる。

電車で寝過ごして車庫に向かう途中で気づいたり、格安航空券を予約して目的地と違う空港に着いてしまったり…トラブル続きの一方で、エリザベス女王から2人きりのアフタヌーンティーへの招待を受けられるなど、波瀾(はらん)万丈の留学記だ。

同書は平成27年に単行本として刊行されていたが、昨年5月にX(旧ツイッター)ユーザーが紹介したのを機に注目され、インターネットニュースなどでも話題に。彬子さまが直接出版社に掛け合われ、文庫本として再び世に出ることになった。

版元の広報担当者によると、発売2カ月で7刷11万部を達成。「プリンセスの日常を疑似体験できる」「ユーモアにあふれた文章で、親近感がわいた」と好評だという。

「ヒゲの殿下」として親しまれた父、寬仁親王殿下との「先輩後輩のような関係」の描写も忘れがたい余韻を残す。(PHP文庫・1320円)

村嶋和樹

産経新聞
2024年6月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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