エアー2.0

エアー2.0

著者
榎本 憲男 [著]
出版社
小学館
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784094063455
発売日
2016/10/06
価格
847円(税込)

内容紹介

あの人は資本主義をやり直そうとしている!

新国立競技場の工事現場で働く中谷は、不思議な老人と出会う。老人はいかにも肉体労働には向いておらず、仕事をクビになるが、現場を去る直前、翌日の競馬の大穴馬券を中谷に託していた。老人が姿を消した直後、工事現場では爆破事件が起こり、翌日馬券は見事的中する。
5000万円の現金を手にした中谷の前に、再び老人が現れ、彼が開発した市場予測システム「エアー」の代理人として、日本政府との交渉窓口となるよう、中谷は依頼される。
「エアー」は世の中に渦巻く人間の感情を数値化して、完璧な市場予測を可能にするシステムで、それは政府が握るビッグデータと結びつくことで、国家の予算を潤すほどの巨額な利益をもたらすものだった。
謎の老人の代理人として、政治家や官僚たちと交渉を重ねる中谷だったが、「エアー」を供与する見返りとして、福島の帰還困難区域を経済自由区として、自分たちに運営を任せるという要求を突きつけるのだった。
現代日本が直面する難題をつまびらかにし、圧倒的なスケールで描く近未来経済サスペンス小説。巻末解説は書評家の三橋暁さんです。

【編集担当からのおすすめ情報】
前半はミステリー・タッチで物語は進み、後半は未来を占うユートピア小説としても読めます。予想外の展開が次から次へとスピーディーに続き、気がついたときには壮大なスケールの物語の真っ只中にいることでしょう。新人作家にもかかわらず第18回大藪春彦賞にもノミネートされ、将来が嘱望される作家さんのひとりです。ぜひお手にとり、ページを繰ってください。一気読み必至の、至福の読書体験が待っています。

データ取得日:2024/04/23  書籍情報:JPO出版情報登録センター
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